タカラヅカとご贔屓と私

いつも心に黒燕尾

ミュージカル『エリザベス・アーデンvsヘレナ・ルビンスタイン』感想(ACT.1)

2023年6月13日の大千秋楽から早くも2週間ほど経ちそうな今日この頃ですが、エリヘレ楽しかったな〜!という気持ちでまだまだいっぱいです。
エリザベスとヘレナ、美しくパワフルな2人の華やかバチバチ系ミュージカルでもあり、台詞の応酬で笑ったりグッときたりとお芝居もしっかり堪能できて、すごく好きな作品になりました!
いつもながらほぼ明日海りお様のことばっかりの自分の思い出まとめです。

 

プロローグ/最高の顔で

エリヘレ見てから、出勤前お化粧する時に心の中で♪アイシャドウの色はこれでいい…?ファンデーションは毛穴隠せてる…?人前に出せるかしら…?が巡るようになりました。
♪美しさって何よ(なんなの)(ほんまそれ)ですよね…ほんまそれは私のコーラスですが…。

 

レッド・ドア・サロン

プロローグで右往左往してた女性たちが吸い込まれていくレッドドア、今をときめくエリザベス・アーデン様のサロンだ〜!
ピンクのパフ袖&ミニ丈ワンピースのアーデンガール達がめちゃカワだしおもてなしの歌が楽しいですね。私も彩花まり様のお歌を聞きながらローリングマッサージされたいな…!

サロンの電話が鳴り、あの方が来る!と大慌てのアーデンガールと巻き込まれてアワアワしてるお客様、双眼鏡構えてソワソワしてる客席の私!
下手端から階段セットが滑り出して響き渡る「♪おは〜よ〜〜〜〜う♡」という、このエリザベス・アーデン様のご登場何回見ても最高だしめちゃくちゃ拍手がしやすい!!ありがとうございます!!
もうとにかく、現れただけでパァッとその場が明るくなる華やかな美貌!!ブロンドの髪、濃いローズピンクのスーツ、美しい声!!
階段を降りて彩花アーデンガールを見ての一言、「ちょぉっと口紅が重いわねぇ?」でドキッとする感じ、「後にして、ルイスさん」と釘を刺す一瞬の強い眼差し、みりザベス様…好きです…(登場2分の感想です)
「♪あるレポーターに聞かれた 『本当に効くんですか?そのアンチエイジングパックは』 目の前をご覧、証拠は私 エリザベス・アーデン♡」の説得力よ〜!「ビビビッ!」のかわいさよ〜〜!からの「♪平日の9時から5時まで」の「へい」のかっこよさよ〜〜〜!!!
このナンバー、ほんとなんぼでも観たいですね…!


トップに返り咲く

続きまして戸田恵子様演じるヘレナ・ルビンスタイン様のご登場だ〜!登場シーンもそれぞれあって贅沢!
小柄な体に高価そうな毛皮、何より声のパワフルさとカリスマオーラ!!私もマダム追いかけ右行ったり左行ったりする記者役やりたいな〜

床から天井まである巨大な商品棚のライトアップ、アーデンのショップではピンクでしたがヘレナのサロンは植物をイメージしたイエローグリーンで、それだけで印象がガラッと変わって素敵なセットですね。
ヘレナは白衣を羽織り、働く女性達も白いロング丈のお衣装、肌タイプの概念などさすがビューティー・サイエンス!フルーツのアイスグラッセ〜食べ残したらフェイシャルへ〜♡とかやってるレッドドアサロンとの違いがくっきりして面白いな〜!


愛の秘密兵器

エリザベスがヘレナのクリームを塗って「肌触りが豊かじゃない?まるで泡立てたバタークリームみたい♡」とうっとりしてたり、ヘレナはヘレナでエリザベスのピンクの容器に「これは心奪われるの分かるわ。オランダのデルフト焼きね」と色だけじゃなく上質な作りに気づいていたり、相手の良いところは良いと感じてるのがすごくいいんですよね〜。

ヘレナのエストロゲンホルモン配合に、ブランドのシンボルカラーである「アーデンピンク」の容器のかわいさで対抗するエリザベス。
「ピンクで全てがうまくいく!」のキメ、小さめガッツがかわいらしかったりかっこいい寄りだったり、毎回ちょっとずつ違って楽しかったな〜!

役職が欲しい、というトミーに「♪あなたこそが秘密兵器〜」と甘く優しく歌いかけて丸めこむエリザベス。
「隠れてろって?」と不満そうながら、「♪明るい未来やってくる 二人のもとに〜」に「そう、かな?」と丸め込まれていくトミーがチョロかわいいです。
いやでもトミーはもってる方ですよね、私だったら最初の「♪あなたこそ」ぐらいで跪いてエリザベスの靴を舐めてると思うので…。


アメリカを手に

トミーを丸め込んでのんびり馴染みのレストランへやってきたエリザベスちゃん。
ブイヨンをひとつ溶かしたお湯、セロリスティック4本、生搾りプルーンをグラスでというオーダに、毎回自分の暴飲暴食思い返してしまい…やはり美人には理由がある…。
そこへヘレナ&ハリーがやってきて競馬新聞で急いでお顔を隠しつつ、会話内容を盗み聞きするんですが、ここの百面相っぷりが本当に毎回楽しみで!
「きっと小ジワが増えて」の時はピキッとした顔しながら自分の頬に手を当ててたり、ハリーの要求に対するヘレナの「いいえ思わない」にびっくりしたと思ったら、続く「厚かましくて不当なだけ」にそうよね〜って顔したり、忙しくてかわいいんですよね〜。

ヘレナもヘレナで超横暴だけど、ハリーもハリーで尻拭いしてもらっとるやないか〜い!みたいな会話の後、怒って帰るハリーの前にスッと近寄るエリザベス、ここの艶然とした微笑み、マジのマジで最高すぎません??
間近でみたら腰抜かしちゃいそうだし、名刺を挟んで優雅に差し出す白い指先がまぶたの裏に焼きついて忘れられなくなっちゃいそうだな…と思って見ています…。


はめを外そう

自分には相談もなく引き抜いたライバルに、自分が欲しかった肩書きを渡されたトミーと、ヘレナの横暴&叱責に自尊心を傷つけられたハリーのやけっぱちナンバー。
いやエリザベスとヘレナも確かにひどい、ひどいけどさ〜そっちもそっちでさ〜!そういうとこ〜!となりつつ、なんかかわいそうね…と思いつつ、1番好きなのは20歳くらい離れてそうなアーデンガールのビームちゃんに「ちゃんとして!」と怒られるトミーです。


男だったなら

トミーを失ったエリザベスと、ハリーを失ったヘレナ。
不思議と同じ状況にある2人のデュエット、エリザベスの「男なら穏やかに仕事は冷酷に」や、ヘレナの「家庭を犠牲にしても男なら許される 帝国を築けば尊敬される」に、華やかで強い2人がこれまで何度も味わってきた苦しみや悲しさに胸が痛くなって…。
「戦い抗い 同じこと男ならできるかしら」が1番好きです、きっと2人は周囲の男性の何倍も何倍も頑張ってきて今があって、2人しかできないよ…!と抱きしめたくなりますね…。


ネイルマンが来た/磨きをかけて

ピンクベージュのワンピースかわいい〜!あとハリーの「ずーーーーーっと」に合わせてみりザベスも顔が動くのもかわいい〜!!
ネイルマンことレブソンさんの野心というかガッツというか、声がでかくてエリザベスの好む上流階級の雰囲気と真逆な感じ、とにかく合わなさそう感がすごいですね。そしてそれをしっかり全部顔にも言葉にも出すべスが好き~!

ドリアン・リーちゃんに歌う「♪その服 いいじゃない」のいいじゃないを初日付近は普通にメロディで歌ってたけど、途中からそこだけセリフで、そうやって変化というか進化していくのが観られるからつい通っちゃうんですよね。
「ピンク色の子ども部屋も…諦めなきゃね」が切なくて…そういえば薬指からは指輪もなくなっており…。
そういう痛みを抱えつつも、ドリアンにアドバイスをして背中を押してサンプルをプレゼントしてあげて、惜しみなく若い世代を応援してあげるエリザベス、本当に優しい顔をしてて素敵だったな〜。

 

笑える!

トミーのヘレナ寝室訪問の「まぁ誇りに思えって訳じゃないけど」、めちゃ良いですよね、毎回しっかり笑いを取っていく戸田恵子様の芸達者ぶりがさすがでした。
そしてみんな大好き一幕山場の公聴会
ヘレナに成分暴露されて呼び出されたみりザベスちゃんのわたし被害者なんです顔、めちゃくちゃな答弁、謎角度からの擁護の手紙(日本語表記なの笑いました)を読み上げたあとのドヤ顔、「ありがとうございます♡」の一瞬後にシャーッ!て鼻に皺寄せて不機嫌全開の顔、どれも全部めちゃくちゃ超可愛くて!!明日海りお様の表情筋の大運動会!!本当に最高です!!
ヘレナもヘレナで「その最後の一滴まで味わったことがありますくわ?」という舐めきった答弁で…どっちもかなり無茶苦茶なのに、「♪エリザベス・アーデンはひるまない」「♪ご覧なさい ルビンスタインの意地を」と両者とも超勝つ気満々で本当にすごい。シャンパンて。乾杯て。
からの、全ての成分を表示!既に販売したものは回収返金!従えなければ販売停止!!をどっちも食らうこととなり…。
ここのエリザベスの「あの女〜!地獄に落ちろ〜!」「インチキ科学者め〜!」のブチ切れっぷりが最高で、毎回惚れ惚れしてました!

 

ふたりきりで

「おめでとう、あなた方は自分自身の妨害に成功した」と議員に皮肉を言われ、ショックを受けたエリヘレ2人が歌うACT1のラストナンバー。
あれだけ罵倒しあった後に、「♪刺し違えようとしてる 高い壁に穴をあけて」ふたりきりで確かめてみたい、1番の理解者はあなたかも…となる流れが最初分からなかったんですが、実は似たもの同士なのでは、とドロドロ公聴会を経て気づいたということなんでしょうか…。
歌詞に出てくるお互いに聞いてみたいこと、ヘレナの「♪香水の好みは」に対して、エリザベスの「♪印象派は誰が好き」が可愛すぎません??エリザベスは絵画も好きなのかな…あと馬が好きすぎて「♪まるで競走馬のように」て歌っちゃうのも可愛い。
とにかく曲がいいというかメロディーがドラマティックですよね、「♪なぜ山を越え」「♪海渡り」「♪なぜ夢のため愛を犠牲に」の掛け合いもいいし、ラストの「♪共に輝く場所から落ちていく 今こそ ふたりきりで」の迫力たるや…!
圧巻の第一幕ラストナンバー、毎回素晴らしい歌唱を聴けて本当に最高でした!!