タカラヅカとご贔屓と私

いつも心に黒燕尾

ミュージカル『エリザベス・アーデンvsヘレナ・ルビンスタイン』感想(ACT.2)

ぼーっとしてたら明日海の日もすぎてしまい…!第二幕の分です!

 

アントラク

センターに出てくるヘレナとエリザベス。
相変わらずのバチバチ感で左右にハケていき…一幕ラストの「あなたこそ理解者かも…」の歌、なんやったん…?

 

瓶の中身

成分表が開示されて始めて中身を知った女性たちによるナンバー。
「♪訳の」「♪分からない」「♪成分が」「♪ズラリ」みたいに一言ずつ歌ったり、この曲もめちゃくちゃ難しそうですね。
そして両ブランドとも店頭に立つ販売員さんが気の毒になってしまう…現場の人がね…一番大変よね…。

 

必要は発明の母

ピンクのワンピからカーキの軍服に着替えた元アーデンガールの美麗さんを送り出すみりザベス。
口紅を塗ってあげて、「恐れる気持ちは、勇気を奮い起こしているしるし」と力づけて、「涙は見せたくない」と送り出すシーン、毎回ウルウルしました…。
ヘレナがマグダの手を握って、「私達がどれだけ勇敢になれるか見せつけてやるのよ」と勇気づけるところも、マダムがかっこよくて大好きです。
と、双方に良きシーンはあるし、どんな状況でもしたたかにやっていく底力を描いているのは分かるんですが、「♪アイラインで睨み効かせ〜」「♪必要は発明の母」とかナンバーの明るさがなんというかあまりにも軽くない…?とちょっと思ったりも…。

 

最高の顔で(リプライズ)

戦争が終わり新しい時代がきて、再びお洒落に精を出す女性たち。
モノトーンのお衣装で、ガラッと雰囲気が現代的になっていいですね!自宅はビバリーヒルズ〜♡言いたすぎる〜

 

今ならわかる

レストランでお祝いかと思いきや、高級マンションへの入居拒否を知らされるヘレナ。ショックを受けているところへ、自分の馬がレースで勝利したみりザベスちゃんがご友人のセレブマダムと上機嫌でご登場〜!
京都公演観劇の際、ヒラリッ♪と控えめながらも華麗なバレエジャンプで入ってきてめちゃ可愛かったな…!
ここの場面のお衣装もめちゃくちゃ好きなんですよね、黒多めモノトーンのシックなスーツとお帽子に、帽子の飾り羽根&リップ&ストラップシューズは鮮やかなピンクが効いてて、シンプルだけど華やかで!私の頬が赤いのもティーローズパウダーのせいではないです!
そんなアゲリシャスなエリザベスですが、こちらもメンフェアクラブへの入会申請却下を告げられるわけで…
「女がお金を持つのはいいんです。でも稼ぐのはダメ。この違い、お分かりになるでしょう?」に対して、「お金を持つのは運次第、稼ぐのは努力の証」というエリザベスの考え方、私はめちゃ好きだよ…それを「成金扱いされてもなんでしょ?」と友人らしく気遣うフリして、内心の「所詮は成金の移民で自分達ほんものの富裕層とは違う」という見下しを垣間見せるマダム。いいお芝居しはるなぁ…。
ヘレナが「♪あなたも気づいたでしょう 私達締め出されたのよ」「♪高い壁を越えようとしても 地獄が門を開くだけ」と歌う後ろでただ黙って座っているエリザベス、すごく好きなんですよね。
傷つき、怒り、悲しみがないまぜになった表情で、じっと前を睨んで…内心の嵐を押さえ込むようにヴェルノーを飲み干して、立ち上がって美しい姿勢で歩き去っていく…この人はこうして何度も耐えて、何度も立ち上がってきたんだな、と表情と動作だけで感じさせてくれる場面で大好きです。

 

もうたくさん

ハリーの提案に「手軽で簡単♡(胸の前でぶりっこポーズ)なんて求めてまっっっせん!」の背中向けてのきっぱり却下のメリハリ〜!好き〜!
ここ、エリヘレの二人の信じるものと時代の価値観にズレが出てくる場面で、企業として勢いを失っていく凋落の始まり…ではあるんですが、二人の信念が全く揺らがないのが本当にかっこいいんですよね。
ハリーとトミーの方が、「手軽で簡単、お求めやすさも重要」「今は10代が熱い、お小遣いで買えるものを」と時代を読めてるけど、「手軽さより優雅と気品」と譲らないベスと「中学生からお化粧なんて」と嘆くヘレナの歌が曲の良さも相まって小気味よすぎて応援したくなってしまう…!
とはいえ「ブラシを持ち歩かない女がどこにいるの!」「値引きで買えるのは安っぽさたけよ」とかは本当にすみませんとしか…マックスファクターのマスカラもメイベリンも…すみません…。
あ、あと最近勢いを増してるブランドを挙げられて名前と出自のみで見下してディスりまくるベス、3人目の「ハァ!?!?」のタメがどんどん大袈裟になってて、最低だけど笑っちゃいますね、あとかわいい、「悪口言ってる時はどんな美人も醜い顔になる」みたいなやつなんなん、全然嘘やん…。


ファイア&アイス

レブソンさんのギラギラっぷり本当にすごい、野心でぎらついた目、ねっとりした歌い方、ご自身で歌うとおり「セックスを売り物にしてレブロンは世界を制覇した」感がすごい、みりザベス様が「下品を通り越してる」というのも分かる。
手タレのドリアン・リーに気づいた時、ギラギラのスパンコールドレスに派手なメイクの彼女を「紙のお皿みたいに安っぽい!」と切り捨てる時の嫌悪感まるだしの顔もいいですね…!
ナンバー中にヘレナとエリザベスがギラギラドレスのレブロンガールに囲まれる場面、2人のコンサバティブなスーツとの対比がくっきりして、明らかに時代が違う感じが伝わってきますね。


ふたりは恐竜

共にクビになってバーカンで飲んだくれるハリーとトミーのナンバー。
「解雇通知までピンク色」とか「マダムのバレンシアガのヒールが背中に」とか、エリヘレ2人の表情が見えるようで、どっちも強烈でなんかニコニコしちゃいますね。なんというか、そうであれ〜みたいな…。
曲もコミカルでキャッチーで楽しい、楽しいけどエリヘレの2人大好きマンとしては馬鹿にすんな〜!という気持ちにもなりますが、振り回されたトミーハリーに同情する気持ちもあり…なんだかんだ2人でこのあとも仲良くやってけるといいですね…。

 

ピンク

ヘアバンドで髪をあげるスタイル、ゆったりとした丈長めのワンピースで加齢が表現されているものの、十二分にお美しい壮年エリザベス様だ〜!!
ラストソロのピンクは本当に名曲で…静かな歌い出し、自分の人生を振り返って得たものと得られなかったもの、夢見たもの、愛したもの…何度聴いても切なく胸が締め付けられて、エリザベスが契約書に最後のサインをする前の表情にたまらない気持ちになりました。
そしてナンバー後、ハケる前の一言が実にエリザベスらしくて、本当に愛おしい女性ですね…!

 

永遠に美しく

続いてヘレナのターン。「似顔絵はどうします?」というとぼけた業者と「肖像画よ!」とブチ切れマダムのやりとり、何回見ても笑っちゃいました、絶妙なおとぼけ感がすばらしかった~
このヘレナのラストソロも難曲ですが、さすがは戸田恵子様…!
コミカルさも毒っ気も見せつつ、最後までパワフルでお見事でした!!背景のたくさんにがお、肖像画も実際のヘレナ・ルビンスタインから戸田ヘレナもあって、色んなタッチで描かれてて見応えありました!

 

世界がまだ美しかった頃

全幕通して1番好きな場面!後半はここ見たさに通ったといっても過言ではない…ミュージカルでありつつ、ここはしっかり戸田恵子様と明日海りお様のお芝居を堪能できてありがたい限り…!
まさかのブッキングに展開を予想して笑う客席とニコニコのご婦人という図も楽しいし、彩花まり様のチューリップちゃん♡の若さ200%ぶっちぎり感もすごい。わ〜……みたいになるみりザベスの気持ち、めちゃくちゃわかる…。
ヘレナに気づいた時のエリザベスの息を呑むリアクション&ヘレナの目をかっぴらいてのゆっくり振り返りから、優雅〜〜〜なマウンティング小競り合い会話を繰り広げてはわざとらしく微笑みあって、サンドイッチをお皿に積みまくるヘレナvsぶどうをお皿に盛りまくるエリザベスと、ずっと負けず嫌いでなんかもう最高の2人なんですよね…。
みりザベスちゃん、ぶどう盛りの上にチーズまでのっけてご満悦の回、うっかりぶどうを落としちゃう回などなど毎回本当に可愛かったな…。
エリザベスがヘレナの口紅を使ってことから本音の会話に移行して、二流ブランドは養殖真珠の粉ではなく魚の鱗を使っている、とヘレナから聞いた時のエリザベスの信じられない、みたいな「ヘッ!」の眉しかめ両手広げのリアクションがめちゃ好きなんですけど、後半はマダムも同じ両手広げで、こういう価値観は一緒なのが面白いんですよね。

「誰も覚えてないでしょうね」「何を?」から始まる、戸田恵子様の「♪世界が美しかったころ」の歌い出しも素晴らしいですし、「惜しかったわね」「何が」「私のクリームとあなたの可愛いピンクの小瓶が組めば、世界を制覇できたかも」というところのセリフが本当に好きで好きで…。
客席に大きく語りかけるでもなく、あくまでエリザベスとの自然な会話なのに、聴いてる観客の心に粒立って届いて…あたたかい温度感を持ってじわっと沁みるような、舞台上でそんな風に話せるのって本当にすごいなと思います。

 

フィナーレ

戸田恵子様がドレスを、明日海りお様がガウンを両手でつまんで優雅に揺らしながら出てくるターン、めっちゃかわいいですよね〜
あとみりお様が音楽にあわせて頭上で手を叩いてるのもかわいいし、ヘレナ&ハリー、エリザベス&トミーの初期コンビに戻るのもかわいい、上原さんいつも優しくエスコートしてくださってありがとうございました…!

 

エリザベス・アーデンさん、退団後に明日海りお様が演じた女性の役で1番好きかも…エネルギッシュで可愛い女性でしたね…。
エリヘレ、いつかまた再演されますように!!

ミュージカル『エリザベス・アーデンvsヘレナ・ルビンスタイン』感想(ACT.1)

2023年6月13日の大千秋楽から早くも2週間ほど経ちそうな今日この頃ですが、エリヘレ楽しかったな〜!という気持ちでまだまだいっぱいです。
エリザベスとヘレナ、美しくパワフルな2人の華やかバチバチ系ミュージカルでもあり、台詞の応酬で笑ったりグッときたりとお芝居もしっかり堪能できて、すごく好きな作品になりました!
いつもながらほぼ明日海りお様のことばっかりの自分の思い出まとめです。

 

プロローグ/最高の顔で

エリヘレ見てから、出勤前お化粧する時に心の中で♪アイシャドウの色はこれでいい…?ファンデーションは毛穴隠せてる…?人前に出せるかしら…?が巡るようになりました。
♪美しさって何よ(なんなの)(ほんまそれ)ですよね…ほんまそれは私のコーラスですが…。

 

レッド・ドア・サロン

プロローグで右往左往してた女性たちが吸い込まれていくレッドドア、今をときめくエリザベス・アーデン様のサロンだ〜!
ピンクのパフ袖&ミニ丈ワンピースのアーデンガール達がめちゃカワだしおもてなしの歌が楽しいですね。私も彩花まり様のお歌を聞きながらローリングマッサージされたいな…!

サロンの電話が鳴り、あの方が来る!と大慌てのアーデンガールと巻き込まれてアワアワしてるお客様、双眼鏡構えてソワソワしてる客席の私!
下手端から階段セットが滑り出して響き渡る「♪おは〜よ〜〜〜〜う♡」という、このエリザベス・アーデン様のご登場何回見ても最高だしめちゃくちゃ拍手がしやすい!!ありがとうございます!!
もうとにかく、現れただけでパァッとその場が明るくなる華やかな美貌!!ブロンドの髪、濃いローズピンクのスーツ、美しい声!!
階段を降りて彩花アーデンガールを見ての一言、「ちょぉっと口紅が重いわねぇ?」でドキッとする感じ、「後にして、ルイスさん」と釘を刺す一瞬の強い眼差し、みりザベス様…好きです…(登場2分の感想です)
「♪あるレポーターに聞かれた 『本当に効くんですか?そのアンチエイジングパックは』 目の前をご覧、証拠は私 エリザベス・アーデン♡」の説得力よ〜!「ビビビッ!」のかわいさよ〜〜!からの「♪平日の9時から5時まで」の「へい」のかっこよさよ〜〜〜!!!
このナンバー、ほんとなんぼでも観たいですね…!


トップに返り咲く

続きまして戸田恵子様演じるヘレナ・ルビンスタイン様のご登場だ〜!登場シーンもそれぞれあって贅沢!
小柄な体に高価そうな毛皮、何より声のパワフルさとカリスマオーラ!!私もマダム追いかけ右行ったり左行ったりする記者役やりたいな〜

床から天井まである巨大な商品棚のライトアップ、アーデンのショップではピンクでしたがヘレナのサロンは植物をイメージしたイエローグリーンで、それだけで印象がガラッと変わって素敵なセットですね。
ヘレナは白衣を羽織り、働く女性達も白いロング丈のお衣装、肌タイプの概念などさすがビューティー・サイエンス!フルーツのアイスグラッセ〜食べ残したらフェイシャルへ〜♡とかやってるレッドドアサロンとの違いがくっきりして面白いな〜!


愛の秘密兵器

エリザベスがヘレナのクリームを塗って「肌触りが豊かじゃない?まるで泡立てたバタークリームみたい♡」とうっとりしてたり、ヘレナはヘレナでエリザベスのピンクの容器に「これは心奪われるの分かるわ。オランダのデルフト焼きね」と色だけじゃなく上質な作りに気づいていたり、相手の良いところは良いと感じてるのがすごくいいんですよね〜。

ヘレナのエストロゲンホルモン配合に、ブランドのシンボルカラーである「アーデンピンク」の容器のかわいさで対抗するエリザベス。
「ピンクで全てがうまくいく!」のキメ、小さめガッツがかわいらしかったりかっこいい寄りだったり、毎回ちょっとずつ違って楽しかったな〜!

役職が欲しい、というトミーに「♪あなたこそが秘密兵器〜」と甘く優しく歌いかけて丸めこむエリザベス。
「隠れてろって?」と不満そうながら、「♪明るい未来やってくる 二人のもとに〜」に「そう、かな?」と丸め込まれていくトミーがチョロかわいいです。
いやでもトミーはもってる方ですよね、私だったら最初の「♪あなたこそ」ぐらいで跪いてエリザベスの靴を舐めてると思うので…。


アメリカを手に

トミーを丸め込んでのんびり馴染みのレストランへやってきたエリザベスちゃん。
ブイヨンをひとつ溶かしたお湯、セロリスティック4本、生搾りプルーンをグラスでというオーダに、毎回自分の暴飲暴食思い返してしまい…やはり美人には理由がある…。
そこへヘレナ&ハリーがやってきて競馬新聞で急いでお顔を隠しつつ、会話内容を盗み聞きするんですが、ここの百面相っぷりが本当に毎回楽しみで!
「きっと小ジワが増えて」の時はピキッとした顔しながら自分の頬に手を当ててたり、ハリーの要求に対するヘレナの「いいえ思わない」にびっくりしたと思ったら、続く「厚かましくて不当なだけ」にそうよね〜って顔したり、忙しくてかわいいんですよね〜。

ヘレナもヘレナで超横暴だけど、ハリーもハリーで尻拭いしてもらっとるやないか〜い!みたいな会話の後、怒って帰るハリーの前にスッと近寄るエリザベス、ここの艶然とした微笑み、マジのマジで最高すぎません??
間近でみたら腰抜かしちゃいそうだし、名刺を挟んで優雅に差し出す白い指先がまぶたの裏に焼きついて忘れられなくなっちゃいそうだな…と思って見ています…。


はめを外そう

自分には相談もなく引き抜いたライバルに、自分が欲しかった肩書きを渡されたトミーと、ヘレナの横暴&叱責に自尊心を傷つけられたハリーのやけっぱちナンバー。
いやエリザベスとヘレナも確かにひどい、ひどいけどさ〜そっちもそっちでさ〜!そういうとこ〜!となりつつ、なんかかわいそうね…と思いつつ、1番好きなのは20歳くらい離れてそうなアーデンガールのビームちゃんに「ちゃんとして!」と怒られるトミーです。


男だったなら

トミーを失ったエリザベスと、ハリーを失ったヘレナ。
不思議と同じ状況にある2人のデュエット、エリザベスの「男なら穏やかに仕事は冷酷に」や、ヘレナの「家庭を犠牲にしても男なら許される 帝国を築けば尊敬される」に、華やかで強い2人がこれまで何度も味わってきた苦しみや悲しさに胸が痛くなって…。
「戦い抗い 同じこと男ならできるかしら」が1番好きです、きっと2人は周囲の男性の何倍も何倍も頑張ってきて今があって、2人しかできないよ…!と抱きしめたくなりますね…。


ネイルマンが来た/磨きをかけて

ピンクベージュのワンピースかわいい〜!あとハリーの「ずーーーーーっと」に合わせてみりザベスも顔が動くのもかわいい〜!!
ネイルマンことレブソンさんの野心というかガッツというか、声がでかくてエリザベスの好む上流階級の雰囲気と真逆な感じ、とにかく合わなさそう感がすごいですね。そしてそれをしっかり全部顔にも言葉にも出すべスが好き~!

ドリアン・リーちゃんに歌う「♪その服 いいじゃない」のいいじゃないを初日付近は普通にメロディで歌ってたけど、途中からそこだけセリフで、そうやって変化というか進化していくのが観られるからつい通っちゃうんですよね。
「ピンク色の子ども部屋も…諦めなきゃね」が切なくて…そういえば薬指からは指輪もなくなっており…。
そういう痛みを抱えつつも、ドリアンにアドバイスをして背中を押してサンプルをプレゼントしてあげて、惜しみなく若い世代を応援してあげるエリザベス、本当に優しい顔をしてて素敵だったな〜。

 

笑える!

トミーのヘレナ寝室訪問の「まぁ誇りに思えって訳じゃないけど」、めちゃ良いですよね、毎回しっかり笑いを取っていく戸田恵子様の芸達者ぶりがさすがでした。
そしてみんな大好き一幕山場の公聴会
ヘレナに成分暴露されて呼び出されたみりザベスちゃんのわたし被害者なんです顔、めちゃくちゃな答弁、謎角度からの擁護の手紙(日本語表記なの笑いました)を読み上げたあとのドヤ顔、「ありがとうございます♡」の一瞬後にシャーッ!て鼻に皺寄せて不機嫌全開の顔、どれも全部めちゃくちゃ超可愛くて!!明日海りお様の表情筋の大運動会!!本当に最高です!!
ヘレナもヘレナで「その最後の一滴まで味わったことがありますくわ?」という舐めきった答弁で…どっちもかなり無茶苦茶なのに、「♪エリザベス・アーデンはひるまない」「♪ご覧なさい ルビンスタインの意地を」と両者とも超勝つ気満々で本当にすごい。シャンパンて。乾杯て。
からの、全ての成分を表示!既に販売したものは回収返金!従えなければ販売停止!!をどっちも食らうこととなり…。
ここのエリザベスの「あの女〜!地獄に落ちろ〜!」「インチキ科学者め〜!」のブチ切れっぷりが最高で、毎回惚れ惚れしてました!

 

ふたりきりで

「おめでとう、あなた方は自分自身の妨害に成功した」と議員に皮肉を言われ、ショックを受けたエリヘレ2人が歌うACT1のラストナンバー。
あれだけ罵倒しあった後に、「♪刺し違えようとしてる 高い壁に穴をあけて」ふたりきりで確かめてみたい、1番の理解者はあなたかも…となる流れが最初分からなかったんですが、実は似たもの同士なのでは、とドロドロ公聴会を経て気づいたということなんでしょうか…。
歌詞に出てくるお互いに聞いてみたいこと、ヘレナの「♪香水の好みは」に対して、エリザベスの「♪印象派は誰が好き」が可愛すぎません??エリザベスは絵画も好きなのかな…あと馬が好きすぎて「♪まるで競走馬のように」て歌っちゃうのも可愛い。
とにかく曲がいいというかメロディーがドラマティックですよね、「♪なぜ山を越え」「♪海渡り」「♪なぜ夢のため愛を犠牲に」の掛け合いもいいし、ラストの「♪共に輝く場所から落ちていく 今こそ ふたりきりで」の迫力たるや…!
圧巻の第一幕ラストナンバー、毎回素晴らしい歌唱を聴けて本当に最高でした!!

ミュージカル『ガイズ&ドールズ』感想

ガイズが井上芳雄浦井健治、ドールズが明日海りお・望海風斗って!それはもうガイズ&ドールズっていうかスターズ&スターズでしょうが!チケットの入手難易度、どうなっちゃうの〜!?
という激戦を経てチケットを手にしたものの、第7波の影響もあり…遠征した先の劇場入り口で当日の公演中止を知って呆然とするやつを私も経験しまして…
そのぶん観劇が叶った時の喜びは大きく、作品の持つ明るさや希望、幸福感、そしてご贔屓の輝きが胸に残る公演となりました。
ここでは主にご贔屓の輝きについて書いておきたいと思います!

 

第一幕
・オーヴァーチュア

いきなりですがオーヴァーチュアっていいですよね〜。いまから始まる〜!というワクワク感!
今回は透け感のあるスクリーンで舞台上(明け方のニューヨークの街角)の風景を見せつつ、ノイズまじりのキャスト・スタッフロール映像を重ねて古いミュージカル映画のオープニングのように見せる演出が面白かったです。
ガイズは1948年頃が舞台なので2022年現在とは価値観の相違もありますが、この「少し昔のお話ですよ」という演出があることで、時代が違うことを前提にある種のファンタジーとして受け入れやすくなったなと思います。
それにスクリーンが上がると舞台上の人々がより鮮やかになるのでタイムスリップ感もあってよかったし、ご贔屓の名前がバーンと映し出されると単純にかなり嬉しいというのもありました!字面だけでときめく〜!

 

・ニューヨークの街角(ブロードウェイ)

最初の人々が行き交う場面にスカイやサラ、ネイサン、アデレイドのメイン4人も出てくるのが楽しいですね!物語上のメインであっても、この街に生きる大勢の内のひとり、という感じで。
明日海・サラ・ブラウンさんは一生懸命チラシ配りをしていて…受け取ってもらえずクルクル回っちゃうのがめっちゃ可愛くて…私なら偶然を装って何回もチラシもらいに行っちゃう…。
仕掛け修道服の内側に何やら怪しい商品を仕込んで売り捌くワル修道女からタバコ入れ?のような何かを買うスカイと、ワル修道女の裏の顔に全く気づかずニコニコお話ししてチラシ配り頑張って!みたいにされちゃうサラの対比が良かったです。
そしてスカイにもピッとチラシを渡すサラと受け取るスカイ、しかしそのチラシはピンクカーディガンの女の子へ押し付けるところがさすが世慣れたスカイ・マスターソンでした。

 

・Follow the Fold

赤い丸帽子と、金ボタンが並ぶ赤いワンピース、紺色のケープに白手袋、そしてタンバリンをシャンシャン鳴らしながら列の先頭を歩いてくるサラ・ブラウンさん!!こんな可愛い登場の仕方あります!?!?教会にでもなんでも従います〜!!
街ゆく人々へお説教するサラ、「悪と戦う覚悟です!」とかサラは本気で言ってて、それがまた可愛いんですけど、本気ゆえにめちゃくちゃ浮いており…人がどんどんいなくなり、空気が白けていくのを客席にいても肌で感じるほどで…。
あんなに可愛いのに〜私なら応援ウチワ作ってお説教全通するのに〜と思っていましたが、可愛いのは皆さんご存知のようで、竹内ベニーによると「あの瞳、クラクラしちまうなぁ」とのことでした。完全に同意〜!

 

・The Oldest Established

浦井健治さんのネイサン、セリフが走りすぎかなと感じるところもありましたが、あれくらいのテンポだからこそネイサン!という気もします。早口でもセリフが聞き取れるのはさすがです!
そしてこちらも可愛すぎる望海アデレイド〜!アデレイドとネイサンが合流?した瞬間、ふたりしてワァァ♡ってテンション上がってるのめっちゃかわいいですね!14年間婚約しててもその感じなんだ??
あと「(ネイサンが)どんなにサイテー野郎でも、会うのはあたしの勝手でしょ、って!」と言ってやったわ顔してるアデレイドちゃんと、隣でなんとも言えない顔してるネイサンもすごく良かったです!
そんで14年目の婚約記念日プレゼントがベルトなのもいいですよね、「スウィーツ好きのスウィートなあなたのスウィートなお腹に」って、ネイサンが甘いもの食べすぎでちょっとお腹がぽちゃっとしてて、でもそのお腹もアデレイドはかわいいと思ってるってことですよね、めっちゃ愛〜!

ネイサンを称えるギャンブラー達の歌、街のあらゆるメンズが参加しており…サラちゃんのお説教を途中まで見守ってくれてたコックのおじさんまで…おじさん…信じてたのに…!
全員恭しく帽子を胸にあてて、ネイサンの指揮でコーラスするところ、「♪俺たちはそれが生き甲斐なんだ クラップゲーム・イン・ニューヨーク」と歌詞は最低なのにまるで聖歌隊のコーラスみたいな振付というギャップがおもしろでした!

 

・I'll Know

伝導所へやってきたスカイとサラの場面。
ここのサラのお芝居がほんとに好きで…スカイが来てから帰るまで、サラ的にはジェットコースターのように心情の変化があるわけですが、そのひとつひとつでコロコロ変わるサラの表情がほんとにかわいいんですよね〜!
「いつかぶっ壊してやりたいわ、このブロードウェイの端から端まで!」と、おこ!な顔、スカイの「かわいこちゃん」に振り向いた時の怪訝な顔、集会のチラシを渡す時のニコニコ顔、「あなたの温かい親切心につい舞い上がってしまって…」という見え見えの言い訳に(ほな、しゃーないか…)みたいな顔と、ほんと目が離せなくて…!
特に看板の文言が「箴言ではなくイザヤだ」とスカイに指摘され、それを確かめてる時の心の声が聞こえてきそうな動きがめちゃ良くて…コミカルさがどんどん進化してて、最終的にスン…とした顔からの食い気味の「イザヤです」で笑いが起きるようになってましたね〜!
スカイもスカイで、「嘘よ」「嘘は罪、そう俺は大罪人だ」と情に訴え作戦からギブアンドテイク作戦への切り替えが見事で。からの『I'll Know』、物語序盤のディズニープリンセスよろしく夢見るサラとプレイボーイ感漂うスカイ、異なる2人の掛け合いから同じメロディーのデュエットになるの、ロマンチックですごく素敵でした…!

 

・A Bushel & A Peck〜Adelaide's Lament

みんな大好きHOT BOX〜!!望海風斗様の華やかなスターっぷり&歌唱力に毎回拍手喝采しておりました!!
宝塚ではサラがトップ娘役なのでアデレイドはやや控えめな演出ですが、今回は建物セットに広告としてアデレイドが描かれていたり、街中でサインを求められる場面があったりと、扱いがしっかりしてるのが嬉しいです。
そんなアデレイドだからこそ、ネイサンと結婚できずクヨクヨしてる一面もあるのが可愛いわけで。丸眼鏡の可愛さ、反則級じゃないです??絶対舞台写真に採用されるし飛ぶように売れるやつ〜!!

 

・Guys & Dolls

なんとかしてサラをハバナへ連れて行くべく、救世軍に着いて回るスカイ。超迷惑そうなサラがかぶっている看板は箴言をイザヤと訂正されており、そこをめちゃくちゃイジりにくるスカイに「ほんとやだ〜」という顔をしながらセリ下がっていくのがとっても可愛かったです!
その様子をビルの屋上から見ている田代万里生ナイスリーと竹内將人ベニー。
「♪全ては愛する女の為」と好きな女性に夢中な男性をからかうようなタイトルナンバーはお二人の声質が曲にぴったり&動きも軽快で、毎回とても楽しみにしてました。明るくてカラッとしてて、悪友感がすごくいいんですよね〜。

 

・Havana

「永遠に観ていたい」「もっと尺が欲しい」「あと200回観たい」でおなじみのハバナ!スーパー酔っ払いタイムことハバナ!!
もう出発前から可愛いんですよね〜。ジャケットにワンピース、帽子にショルダーバッグ、そしてボストンバッグと荷物多めで旅慣れてない感満載の出立ち…いかにも不本意そうな待ち合わせ時の表情から、初めての飛行機にだんだんワクワクしちゃう感じ…と思いきや乗り物酔いして、しかしながら到着したらガイドブック片手に観光しまくるとか!全部かわいい!!でも2番目に古い伝導所だった時の「行きましょ」はかなり男前でしたね…!

ドルチェ・デ・リチェでベロベロになり、カクテルのストローをくわえようとするけど距離感ミスってくわえられない、みたいなアドリブもあり…とにかく酔っ払いのお芝居がうますぎて本当に楽しかったです。
バンドに乱入してトランペットを奪って勝手に演奏したり、バーカウンターに乱入してシェーカー振ったり、男性達を従えセンターでバリバリに踊ったり(ここ大好きです)とにかくやりたい放題のサラと、その後を追ってサラが脱ぎ捨てるジャケットを預かったりお水を渡したり人に謝ったりと振り回されるスカイが面白くて、こんなんスカイのこと観客もめちゃくちゃ好きになっちゃいますよね〜。

 

・If I Were A Bell

レストランで大暴れした後、逃げてきたスカイとサラ。引き続き酔っ払っているサラによる♪ディンドンの歌、かわいさのメーターを振り切っており…!!
「♪ガチョウなら丸焼きー♡」とか本当にねぇ…世界で1番可愛い酔っ払いでしたねぇ…。
というか「♪キスした瞬間から ずっとこんな風だわ」や「♪あなたの魅力で 理性こなごなだわ」にびっくりしますよね。そうなんだ!?「発情期の熊でさえ萎えるような冷たい目」で俺を見てた時も実はそうだったんだ!?って私がスカイなら心の中でかなりディンドンしちゃいますね。

 

・My Time Of Day〜I've Never Been In Love Before

飛行機のタラップが少しずつセリ下がって地下鉄の出口階段になるの、本当に面白い作りだったな~。今回の舞台装置で1番好きな転換です。
そしてすっかり酔いが覚めたサラの「私…ひどく見苦しかったわよね」という一言、酔って大暴れしたことはともかく、本心を告白して相手に甘えたことも「見苦しかっただろう」と思っているのが伝わってきて…いや〜気持ちめっちゃわかる…好きな人にね…隠しておくつもりだったんだもんね…可愛いね…。

というところに登場するウェディングシャワー帰りの望海アデレイドちゃん。派手ドレスにキッチングッズをまとって超ご機嫌で可愛いし、アデレイドの手の甲を差し伸べるスター仕草に戸惑いつつキスするサラも可愛いし、は〜〜〜89期…!!
ハケ際の「お台所に立つのが大好きになりそう♡」に続くアドリブで毎回笑いをさらっていくアデレイドちゃん、「マヨネーズとケチャップがあれば何とかなるわよね?」の回がポジティブで良かったな〜!
千穐楽の「今まで誰にも言ったことないんだけど、私こう見えて…お料理があんまり得意じゃないの」もかなりウケてましたね、アデレイド自身は真剣だけど「全然意外じゃない」をついてくるのうますぎます!

賑やかな一行を見送ってのスカイの「幸せそうだ」がほんと優しくて、やっぱりいいやつだなって…。
スカイのソロの『My Time Of Day』、短いし続く『I've Never Been In Love Before(初めての想い)』が名曲なので影が薄くなりがちですが、かなり好きな曲です。ギャンブラーでプレイボーイのスカイの、内側の部分というか、そっと自己開示してくれる感じが胸に沁みて…スカイ自身も「♪分かち合いたいのは君だけ」で、自分がそう感じていることに初めて気づいたのではないかな、と思いました。
その流れでのスカイの本名告白、からの『I've Never Been In Love Before』ですよ…!
最初はあんなに交わるところのない真逆の2人だったのに…サラ…ショルダーバッグの持ち手をくちゃっとして持ってるサラ…「♪君に恋した」でちょっと照れて顔の向きを変えるサラ…かわいい…絶対幸せになって欲しい…!
と、かなりいい感じで伝導所まで帰ってきたら、なんと伝導所でクラップゲームが行われていたことが判明するわけで。
「行くべきではなかった」と後悔するサラ。
スカイに対して、「私は神に仕える女です」で足を一歩引き、「あなたのような男を愛したりしない!」でもう一歩引いて、そして走り出す姿にサラの気持ちが痛いほど伝わってきてこっちまで泣きそうになってしまいました…。

 

第二幕
・Take Back Your Mink

再びのHOT BOX!幕間休憩後の客席と、ショーが始まる前のHOT BOXがシンクロするのが面白い幕開けですね。
ここの望海アデレイドちゃん、めちゃくちゃ美しくてセクシーでコケティッシュでチャーミングで…!!ミンクを体に巻きつけて…のあの演出、度肝抜かれてしまいました。度肝抜かれつつ双眼鏡で見ちゃってすみません、だって何もかもが美しくて…ほんとに「おもさげながんす」つって貧乏侍・吉村貫一郎をやってた方と同一人物ですか…?

 

・Adelaide's Lament (Reprise)

駆け落ちの約束をネイサン(クラップゲーム中)にすっぽかされたアデレイド。
スカイの「他の男とやり直せ」に対しての「無理よ、私はネイサンを愛しているもの」という台詞、帝劇で観た時は強めの口調でしたが、博多座では弱めになっていて、分かっていてもどうにもできない、という感じがいじらしかったですね…。

 

・More I Cannot Wish You

サラの父親代わりである、後見人・アーヴァイドのソロ。
「私の望みはお前の幸せだけだ」という台詞にうんうん頷いて林アキラさんの豊かで優しい歌声に聴き入っておりました。サラの幸せを心から願うアーヴァイドと、明日海りお様の幸せを心から願う私が交錯し…そう、私達ファンはアーヴァイドだ…という気持ちに…。
ハバナのディナーに付き合う対価として罪人1ダースを集会に連れて行く約束だ、ギャンブラーは決して忘れない、と訴えるスカイを冷たくあしらうサラ。
ここで「約束を違えたら、あなたを嘘つきだと街中にふれ回りますよ」と冗談ぽく言いつつ、スカイの胸を軽く叩くアーヴァイドが温かくてすごくいいんですよね〜!頑張れスカイ!

 

・The Crapshooters' Dance

ここの場面の見応え、ほんとにすごかったですね!シャープな振付にめまぐるしいフォーメーション、激しいクラップの掛け声!ヅカファン的にはこれは年度賞が狙える!と拳握っちゃう感じです。
舞台前方に一列になり、下手のビッグ・ジュールから上手のベニーまでサイコロが転がり、勝ったベニーが「ッシャ!!」みたいに治安悪く叫んでジャンプするところが爽快で好きです。リフトされた男性が札束を空中に撒くラストもカタルシスがあっていいですよね…!

 

・Luck Be A Lady

タチの悪いイカサマでネイサンがビッグジュールにお金を巻き上げられ、嫌な空気のところに現れるスカイのヒーローっぷりよ〜!
そして大勝負にふさわしいビッグナンバー、ただ一度サイコロをふる為に歌って踊って歌って踊って、これぞミュージカルだなぁとなんかニコニコしちゃいますね。
最後にスカイはサイコロをふりますが、博多座千穐楽では本当に勝ちの数字が出たそうで。さすが座長〜!!

 

・Sue Me

ネイサンとアデレイドの追っかけっこケンカ歌。そういや浦井さんのソロ歌声、全然聴けてないな!?ってびっくりします。甘くて優しいネイサンの歌、もっと聴きたいよ…。

 

・Sit Down You're Rockin' The Boat

伝導所存続がかかった真夜中の集会、時間になっても誰も来ず、あわや…というところでガヤガヤやってくるギャンブラー達。
その理由を知り、未沙のえるカートライト将軍に彼らはギャンブルに負けてここに来たんです、と説明するサラ。叱責されるかと思いきや、素晴らしい!画期的な方法を見つけましたね!と褒められてびっくりしてるのが、ま〜可愛くて…。
ナンバーの間もずっと可愛いんですよね〜なんか群衆芝居というか、アンサンブル的なご贔屓が新鮮で。みんなと一緒に歌ったり踊ったり最後のずっこけも可愛かったな〜!
と思ったら警官の追究をかわすところで俯く田代ナイスリーの顎を指先で持ち上げ、上向かせるところのかっこよさに心臓が爆発しそうになりました。あんなことされたらどんなギャンブラーでも骨抜きになってしまうのでは…。

 

・Marry The Man Today

全ヅカファンがニコニコになっちゃうサラとアデレイドの場面。
サラには「スカイに惚れちゃダメよ!」と言うあたり、アデレイドもギャンブラーはよくないと分かってはいるんですよね。それはそれとして、並んでベンチに座りアデレイドの肩にもたれて号泣するサラの舞台写真ください。あ、「かわいいほっぺの!」と言われて、「そうだと思う!」のサラちゃんもすごく可愛いのでそれもお願いします!
歌の内容としてはかなりブッ飛んでおりますが、キャッキャしてる2人がかわいいのでオッケーです!最後腕組んで走ってくところ。「あやちゃんとさゆみちゃん」感もあって最高〜!!

 

・Guys & Dolls (Reprise)

物語冒頭と同じニューヨークの街角場面の繰り返し…と思いきや、色んな変化があるのが面白いところで。
酔っ払いは真人間になり、ワル修道女からの誘いにもきっぱりノーを突きつけていて、ピンクカーディガンの女の子は水兵さんとカップルになっていましたね〜。
そして冒頭と同じくアデレイドがネイサンを探しているわけですが、アデレイドはウェディングドレス姿&ネイサンは新聞スタンドで働いているという…!そしてやってきた救世軍のいつもの行進にしれっと参加しているスカイ・マスターソン!シンバルをひと鳴らしする、見事なドヤ顔っぷりに自然と拍手が湧いてました!
見事スカイとネイサンを変えたらしいサラとアデレイド。メインテーマの『Guys & Dolls』に出てくるような男にスカイもネイサンもなりましたね〜と収束するようで、歌詞が「♪愛する女の為」から「♪愛する相手の為」と男女双方向になってるのが良かったです。
本当にすごいなぁと毎回思ってたんですけど、サラも一幕最初の頃のサラとは違って見えるんですよね。ただ理想の相手との恋を夢見てた時のサラより、色んなことを乗り越えて可愛さはそのままに少したくましくなっていて。着ているお衣装は同じでも、芝居の始まりと終わりで人物がちゃんと変わって見えるの、毎回感動してしまいます。
全員でコーラスしながら景気よく紙吹雪も撒いちゃったりしつつ、2組のカップルを祝福して大団円で幕となりました〜!お幸せに〜!!

 

そんなこんなで可愛いご贔屓がたくさん見られて、とっても楽しい思い出となりました!
著作権の関係で難しそうですけど…いつかBlu-rayが発売される方に1000ドル賭けたいと思います!!著作権の女神様、なにとぞよろしくお願いします!!

『明日海りお 1st Concert -ASUMIC LAB-』感想

待ちに待った退団後初のソロコンサートだ〜!
色んな役として出会える明日海りお様ももちろん大好きですけど、役を通さない明日海りお様自身もめっちゃくちゃ好きなので、コンサートをずっと楽しみにしてました。
構成も演出も曲目もお衣装も振付もとってもよくて、ときめいたり癒されたりテンションぶちあがったりうるうるしたり、そして最終的にはめちゃくちゃに惚れ直して毎度会場を後にしました。という記録です!長いです!

 

・オープニング

ステージ中央の床面に映し出された光の粒子が円を描き、中央のスクリーンへキラキラ昇っていって集合してひとりの人物のシルエットに。
それが弾けると、ソフト帽をかぶった明日海りお様のめちゃかっこよ映像が流れ出して一気にときめき急上昇〜!
音楽にあわせてライトの中を自在に歩き、ひとつひとつのポージングも、ハットの縁をなぞる指先も美しく…特に黄色の照明でジャケットの前を片側開いてるポーズのやつが好きです。
明日海りお×ソフト帽は鉄板ですので、ぜひこのオープニング映像、Blu-rayの特典映像に入れていただきたいな〜!

 

・THIS IS ME

セットの奥に映像ラストと同じポーズの明日海りお様が。そのまま逆光を背負っての歌い出しから、満を持してサビの「♪THIS IS ME〜」でライトを浴びて前へ出てくるお姿がめちゃくちゃかっこいいし、思いっきり拍手させてくれる演出も嬉しい〜!!THIS IS 明日海りお〜!!
いやでもほんとに、宝塚歌劇団でトップスターを5年半務めて、退団して今度は女優として約2年挑戦の日々を送ってきて、色んなことが変化したこのタイミングで開催する退団後初のソロコンサートの一曲目でファンの前で「これが私だ」って歌うのかっこよすぎません??
どんな想いを持って、役じゃなく「明日海りお」として立つコンサートに臨んで下さってるのかがすごく伝わってくる、最高の一曲目だな…と初っ端からエモくなってしまいました。

 

・VALENTY

からのブチ上げVALENTY!!在団時の『恋スルARENA』でも(当時は)女装して歌ってくれた一曲!!また聴けて嬉しいし、ダンサーさんを従えてバキバキに踊る姿が超かっこいいし、ほんとに最高〜!!間奏のとこ、食い入るように見ちゃいます。
とにかくかっこよすぎて、特に「♪ここで戦って」の力強さとかやばくなかったです?どっかの革命軍が蜂起しちゃうかと…私も明日海りお様に言われたら鍬を手に立ち上がる民衆の女になっちゃう!ここで戦っちゃう!!

このコンサートは『ASUMIC LAB=研究室』と銘打たれていて、「明日海りお」を構築している四つの世界観を掘り進めていくような構成なのですが、最初は「クール」セクションということでお衣装はマニッシュな黒のパンツスーツでした。
シルバーの流れるような模様がトート閣下ぽくて、あと胸元のV字が結構深めでドキッとしました。
そしてマニッシュなスーツに髪型はメッシュ入りのロングヘアーの一つ結び(髪飾りはお衣装と揃いのシルバー模様)というこのバランス感覚が!ここでショートヘアにしないところがすごく好きです!

 

・MC

ここは今回のコンサートのコンセプトと、クールセクションであること、MC後に歌う曲についての紹介が必須項目だったぽいです。各回で印象に残ったコメントを、細かいところは正確じゃないかもですが、覚えている限りで書き留めておきます!

神戸1回目:「BoAちゃんの曲は宝塚時代に横浜のコンサートでも歌って、その時は男子を引き連れて…正確な男子ではないんですが」(瀬戸かずや様と水美舞斗様を引き連れてました)
「もう1曲(ジョバイロ)は花組さんのショーで使われてて、これは私が歌いたかったやつ!と銀橋に足をかけかけた曲です」

神戸2回目:「このセクションはクールにマニッシュに、皆さんが1番耐性のある分野から…」(優しい…)

神戸3回目:「私これ(クールセクションスタイル)既視感あるな~と思ってたんですけど、分かったんです。『コントが始まる』というドラマに出させていただいて、恩田光代っていう役で、ファミレスの店長だけど雀荘に通っている、その彼女がこういう髪型で黒のライダースを着てたので…恩田光代がステージアップしてるっていう、光代みを感じながらやっております」

静岡:「この市民文化会館、本当に懐かしくて、ピアノの発表会は中ホールだったんですけど、バレエの発表会はまさにここで、楽屋もこの鏡の前でゴザをひいてお化粧したなとか、この袖でチュチュを1枚2枚~って数えたな、とか」
静岡県内からきたよ~って方?(客席ペンライト多数)静岡県外からきたよ~って方?(客席ペンライト多数)どっちも振ってる方いません??」

東京千秋楽:「(国際フォーラムの広さに)5,000人くらい来てくださってるんですか?…分からないですよね。」
「今日はカメラが11台、実物よりもかっこよく美しく撮ってくださる方が集まってるとお聞きしてます、安心ですね~」
「奥の方の皆さんも大丈夫です!…私目が悪いのであれなんですけど、声とバンドの音はきっちり届けます!」
「(ジョバイロについて)花組の皆さんはかっこよくやってましたけど、私はちょっと「ジョ」を足して…女と書いて「ジョ」を足して、みりおちゃんかっこいいわと思ってもらえるようにがんばります」

 

ジョバイロ

男性ダンサー2名を従えての激しいダンスがめっちゃくちゃかっこよくて〜!
「♪この胸貫く刃の代わりか」で人差し指を男性ダンサーさんにゆっくりと降ろすフリとか大好きです。貫かれる体験できるなら5万ぐらいポンと払っちゃいそうだな…。
そんで「♪物語を少し」で三井先生のあごをすげなく指先で払うのも最高ですけど、今回の振付は三井先生なわけで…先生ご自分でこのフリを…?気が合うな…。
三井先生の今回の振り付け、全体的に腕や手を細かく使うフリが多くて、ポイントでのポージングの美しさ・手の使い方の綺麗さで他の追随を許さない(主観)みりお様に合っててとても素敵でした!
あ、あと上着の後ろがヒラヒラ長くて四つに分かれてて、ターンの時にフワッと指先で広げるお衣装の魅せ方も相変わらず天才的でしたね!

 

・ギラギラ

こういうダークで毒っ気のある歌を歌う明日海りお様もかなりいいんですよね〜!
さすがこじらせ系をやらせたら右にでるものはいないと(私に)言われているだけあるというか…鬱屈としたところは厭世的で美しく、爆発するところは激情に圧倒されて…。
サビの「ギラギラ」「メラメラ」の強さもですけど、「♪1mgの〜」も神戸公演ラストとかは舌巻きも強めですごくかっこよかったな〜!
こういうみりお様も大好き勢としてはこの曲を薦めてくださったマネージャーさんに感謝しかありません!ありがとうございます!!

 

・インタールード

興奮状態の客席を優しく落ち着かせてくれるヴァイオリンソロで始まる場面。
水の底のような照明とヴァイオリンの音色に聞き入っていると、ピアノが入ってきてステージ上部に女性ダンサーさんがひとりセリ上がってきて…
天上から降り注ぐ光に手を伸ばす、白いシンプルなベアドレスでのダンスが幻想的で、ひとつの物語のような素敵な場面でした。

 

・Hello,my friend

透かし模様の銀色の月、金色の太陽のセットを背に、ひらひらした濃いめのくすみピンクのドレスで登場したみりお様。
ふわふわの巻き毛を後ろに足してるのかわいい〜!えっドレス膝上丈!?あっ同系色のタイツ履いてはる…!と初回はかわいすぎるいでたちに夢中になりすぎて歌がちゃんと聴けなかったんですけど、柔らかな声質がしっくりくるバラード、すごく素敵でした。いやこんなかわいい女性に恋されて振り向かない男性がいるだろうか…?というのは置いときますが…。
後奏で月(の前のセット)に腰かけて左右に小さく揺れてらしたんですけど、どこのプリンセスかと…。先ほどVALENTYで革命軍を蜂起させていた方と同一人物ですか…?

 

・STAYIN' ALIVE

この曲、天海祐希様の主演ドラマ『トップナイフ』主題歌で天海祐希様も踊ってらしたやつだ〜!チーム研音!!
イントロに合わせてパッと立ち上がったみりお様、女性ダンサーさんを従えてタイトミニドレスもなんのそのの軽やかな踊りっぷりで!思えば完全ドレススタイルのみりお様のダンス、初めてですかね…?すっごくかわいかった〜!
キュートかつコケティッシュで、キュッとあがった口角とか細くて丸い肩を揺らす振りつけとか、可愛い女っぷりを振りまかれてメロメロになってしまいました!手玉に取られたいな〜!

 

・タッチ

メドレーでタッチ!突然の懐メロ!
「♪星屑ロンリネス♡」でちょっと前に上半身を乗り出すようにして指先で星マークを空中に描く振り付けがとってもかわいい!
「♪あと何回過ぎたら」で両腕を前にきゅっと怖がりポーズするのもすっごくかわいい!
そんなかわいいみりお様にすがりつく女性ダンサーさんを「♪落ちた涙も見ないフリ」と「♪そっと悲しみにこんにちは」でフッちゃうみりお様。どういう演出?と思われる方もいるかもですが(いないかもですが)、私は手玉に取られたい願望が即叶えられて大変嬉しかったです!

 

・MC

ここはフェミニンセクションについてと、あとペンライトやTシャツのグッズ購入についてのお話がメインだったみたいです。

神戸1回目:「このお衣装は有村先生が作ってくださって…どんなのがいい?って聞かれたんですけど、もう先生にお任せしますと…この色とこの色は嫌です、好きな色は腐ったブルーとかくすんだピンクとか…とお伝えして、このくすんだピンクのを作っていただきました」
「11/22が彼の…おこげの誕生日で、11/23が母の誕生日、なので11/24(退団日)を忘れかけてたんですけど、退団同期のLINEで生存確認などして…。なのでここでは退団して2年間で学んだ『かわいい』を頑張ってやってます!」

神戸2回目:「皆さん優しいですね、(ペンライトを)ピンクのライトに…あっいいんです変えなくて、好きになさってください。…あっ買ってない方もいいんです!…Tシャツとかも買っていただいて…あっ買ってない方もいいんです、お召し物は自由です!」

神戸3回目:「くすみピンクのひらひらで…フェミニンな…女性らしい感じを…いかがでしょうか…」(クールセクションの時との自信の差がすごい)
「タッチは母がカラオケで1番に歌うんですけど、同期の親友もタッチを1番初めに歌うので、真似しました」

静岡:「全然関係ない話をするんですけど、次に机の上にアルバムがあるんです。それにふるさとの写真がいっぱい貼ってあるんですけど、静岡の写真があって…どこの写真かっていうのは次(のMCで)話します。貼ってるんだな~と思って見てください、でも写真だけじゃなくて私も良ければ見てください」

東京千秋楽:「(Tシャツとか)あれの向こうの人も着てくれてたりして」(スマホ?パソコン?と選択肢が色々あるライブ配信のデバイスを「あれ」でくくるザックリ感がかわいいです)

 

・月光

フェミニン前半のペンライトはみりお様の「ピンクにしてくださって」発言もあって後ろの日程の会場ではかなりピンクだったんですけど、この「月光」はステージ上の照明にあわせた青青派、月の光をイメージした白派、月の色をイメージして黄色に見立てた緑派に分かれてる感じでした。
そしてこういう独特の世界観のある曲、みりお様の表現力を堪能できてすごくいいですね…!ヴァイオリンメインの伴奏に、インタールードの女性ダンサーさんが再登場されて、なにかの舞台の一場面を見ているようで…。
後奏で暗転していって客席からはほとんど表情が見えなくなるなかでも、最後まで哀しみをたたえた眼差しでいらっしゃったのがすごく印象的でした。

 

・いのちの歌

椅子に座り、丸い小さなテーブルに置かれたアルバムをめくりながらの歌唱。優しいお姉さんのお歌とスクリーンの素朴なイラスト、溢れ出る「みんなのうた」感…!
優しい歌はショーアップが難しいし、演出的には地味になってしまいがちですが…
周りにいる人々への感謝や、大切な仲間への温かい気持ち、日々のささやかな幸せを愛しく思うこと。『ハンナのお花屋さん』の「Happiness」もそうですが、明日海りお様の人柄の温かさを感じられて大好きですし、間違いなく魅力のひとつだと思うので、これからもこういう優しい歌も歌っていただきたいなぁと思います。

 

・長い間

イントロではKiroroだ〜懐かし〜ぐらいの気持ちだったのに、聴き入ってるうちに胸がギュッとなってしまいました。
最初のAメロが結婚を待たせている男性側、サビが待っている女性側、というのは割と有名かもですが、特にサビの切なさが…私は「まさかね」は「そんなこと(彼の負担になってしまいそうで)言えない」だと解釈してるので、絶対幸せになってくれ〜!という気持ちに…。
でもアニメーションでは「忙しいお母さんと子ども」が主題っぽかったですね!あんまりちゃんと見てなかったですけど…なぜなら「切なさ」を歌うみりお様には問答無用で釘付けになってしまうので…!

 

・アイノカタチ

アニメーションでは引き続き家族の物語が展開されていましたし、『義母と娘のブルース』の主題歌でしたし、そういう曲であることは分かっているんですけど…。
この曲だけ椅子から立って、客席へ向けて正面から歌って下さったので、歌の世界とは別に、明日海りお様からファンへの愛を感じてめちゃくちゃ泣いてしまいました。

退団会見で「ファンの方には舞台でしかお返しができない」と仰っていた、ある意味で不器用なみりお様が、この曲にのせてファンへの感謝を歌ってくださっているように感じて、最後の「♪ああ ありがとう」がすごく胸に沁みてしまって…ほんと勝手な思い込みなんですけど…もうこちらこそずっと大好きなので…という気持ちになりました。

 

・インタールード

サックスの音色とボーカル高橋あず美さんの歌声がしんみりした客席に寄り添いつつ、少しずつ気分をあげてくれるインタールード。
ここはビルボードライブか?となるオシャンなジャズでかっこよかったな〜!
高橋さんの歌声ってただ上手いだけじゃなくて、すごく雰囲気があって素敵だなぁと思って調べてみたところ、映画キャッツの吹き替え版グリザベラをやってらしたんですね!すごい方だ~!

 

・Desire-情熱-

無数の緑のレーザーライト!スタンドマイク!ド派手なディスコアレンジのdesire、めっちゃアツかったです!!
「エッジ」セクションにふさわしく、赤のジャケット&ワイドパンツな明日海りお様も超素敵で!スーツだけど素材がベロアで女性的なのがマニッシュとは違うところで、右側にオーロラに光るパーツ、左側には縦にラメラインがあって…さすが有村先生…エッジとは何かを教えてくれますね…!ちなみに髪飾りもおそろのオーロラパーツでした!
この曲は照明がとにかく派手でかっこよくて、「♪なんてね」で顔を背けるとこの切り替わりとかすごく決まってましたね。
「♪恋もdance,dance〜」の本家を彷彿とさせる振りとか、サビの「♪Burning love〜」のかっこよさとか…エッジのきいたみりお様もほんと素敵だったな〜!

 

・プレイバック part2

明菜ちゃんからの百恵ちゃん!オンラインファンミでも歌ってらっしゃったので十八番なのでしょうか。今回はサックスが存在感のあるアレンジ&男性ダンサーさんを引き連れてのダンスもあってよりかっこいい女度高めでした!
「♪play back play back」で左右から照明があたるコントラストや、無音からの「♪馬鹿にしないでよ」のパンチのきいたかっこよさとか、たまらなかったな〜!
そしてパンツスーツのポケットに手を突っ込みながらクールな表情で前に出てこられたりすると無条件にときめき倒してしまうので、ひと声かけていただけませんかという気持ちに…ほんとに先ほどひらひらドレスで月のセットの前で微笑んでたプリンセスですか…?

 

・MC

神戸2回目:「このチンピラ風のスーツで、もう何曲かお聞きいただきたいと思います」
「イヤモニしてると水槽の中にいるみたいで、…入ったことはないんですけど。舞浜の時にせりあがってきて、(拍手も歓声も聞こえなくて)お客様いない?ってなりました。なので拍手とか、盛りめでお願いします」

神戸3回目:「(エッジセクションでは)大人っぽく…。大人っぽいってなんでしょうね…?もう大人ですし…大人っぽいって言われると、ん?ってなっちゃうこともあって…あんまり大人っぽいねって言われることはなかったんですけど。なので年下の子に大人っぽいねっていうのは微妙な褒め言葉なのかなって思ったりもして…。すみませんどうでもいいですね、どうでもいい話ばっかりしちゃう」(かわいい…)

静岡:「アルバム、せんげんさん(浅間神社)の写真が貼ってあって。学生時代写生で行って、放置されるんですけど、私は絵が苦手だったので時間かけても一緒だなと思って、(神社の前の)お菓子屋さん、大福屋さんだったかな?で自分の分だけ買って、先生に見つからないように食べて、ぼーっとして、最後30分くらいで水色と緑でうすーく、私が見たのはこういうのです、って提出したら、Cダッシュぐらいの評価でした。学生の方は真似しないでください」

東京最終日:「あと2曲私が歌います。りょうちゃんまだかな~とお待ちの珠城りょうファンの方、次ですので!」

 

・楓

スピッツの名曲、名曲だと知ってましたけどこんなに名曲でしたっけ…?と改めて思わせてくれる明日海りおマジック。
歌劇団時代のCDでは「チェリー」、横アリでも「空も飛べるはず」を歌ってらしたので、スピッツもお好きなのかな。もっと歌って欲しいな、できれば「渚」をお願いします!
どこまでも伸びていくようななめらかで優しい声が心地よくて、同時に「喪失」を感じさせる歌詞のほろ苦さもあって…明日海りお×スピッツ、すごく良かったです…。

 

銀の龍の背に乗って

中島みゆきさんのこちらの曲、恥ずかしながら知らなかったんですけどめちゃくちゃ壮大でドラマチックで素敵ですね!
階段上のセットで女性ダンサーさんが繰り広げる争いのような、もがき生きる人々のようなダンスも雄弁で…。
「翼」や「羅針盤」、「銀の龍」、「命の砂漠」といった言葉も相まって、なんか古代中国の歴史ファンタジー映画の主題歌みたいだな…明日海りお様は語り部かつ時々現れて主人公を導く謎の人物で…漢服ぜったい似合うだろうな…と私の妄想が翼にかわっているうちにはけてしまわれるので寂しいです、でもギターソロもかっこいいです!

 

・シャルム!

長めのギターソロでお着替え時間を稼いでいただき、余韻に浸っているところにあのメロディー、「♪パリの街の下広がる世界~」が!
わざわざスクリーンで赤い緞帳をあげていただき、お気遣い痛み入ります~!そして登場されるシャルム様〜〜〜!約2年ぶりのシャルム様だ〜〜〜!!
みりお様にも伝わってたみたいですが、客席が熱を帯びる感じというか、全員心がワーッてなってるのが分かるんですよね。
ゆるめですけど当時の振り付けもやって下さって…腕をフワッと客席へかけられるだけで銀橋が見えるし、がなりも回を増すごとに雄々しくて、そしてギラギラの三白眼〜〜〜!!ありがとうございます!!

 

・MC

神戸1回目:「今回、持ち歌がこの曲(シャルム!)しかないんですけど、皆さんも(この曲は)落ち着いて見て下さる感じがしますね」

神戸2回目:「(シャルム!について当時と)なんか違いますか?…どうともいえない感じですか?やっぱり毎日、男の声を出さないじゃないですか。…出してるか?普段の話し声も少しずつ高くなってるのかなって…一緒に日常過ごしてないから分からないですよね」
「幅のある歌を歌えるように、日々研究、あっ!ラボしています(ドヤ顔)。なので嫌いにならないで、見守っていただければと思います」

神戸3回目:「(シャルム!で)皆さんのワクワクがちゃんと、水槽の中にいるみたいでも伝わってきます。こういうコテっとした曲を卒業公演でさせてもらえてうれしかったですね」
あと「(私だけに、は)シシィを見守ってたんですけど」と言いつつジト目でトート顔をするみりお様、あの目つきで「見守ってた」んだ…となんかウケちゃいました。

静岡:「シャルム!が回を重ねるごとに雄々しくなってると、マネージャーさんからご指摘?感想がありまして。OGさんのかっこよさってあるじゃないですか、私も好きだから分かるんですけど、「思い出の曲を一緒に楽しみましょう」みたいな、ちょっと余裕のある…でもアアッて(男役的がなりボイスに)なっちゃう…あんまりアアッてすると次の曲が怖いんですけど」
「今年はいっぱい舞台ができてよかったな、歌わないんですけどポーの一族とか、ポーの一族の曲が聴きたい方は(客席拍手)DVDを見てください」

東京千秋楽:「(MCで話すこと)私なんにも考えてこなかったよ、りょうちゃんが考えてきてくれると思って」
珠城さんとのMC、先輩のさゆみさん全開でめちゃくちゃかわいかったんですけど、上記のコメントがかわいすぎて全部忘れてしまいました!私達は月組育ちで真面目だから面白くない、って嘆き合ってたりした気がします!

 

・私だけに

ペンライトを振りながらこの曲を聴くの、なんな新鮮だったな…。でも本当はシシィを応援するのにずっとこうしたかった気がします。
今まで色んなシシィを拝見してきましたが、みりおシシィの解釈完全一致でした!
傷つきながら自分の小さな魂を必死に掴んで立ちあがろうとする歌い出し、「♪鳥のように解き放たれて」からは理想の未来を思い描いて表情が明るくなって、窓を開けてからは凛として、戦う意思を確かに燃やし始めていて…
たった一曲ながら、芝居を大事にする明日海りお様のシシィに心をガッチリ掴まれてしまいました!いつか全編拝見できますように〜!!

 

・パパどうして

Blu-rayもCDも配信もないマドモ、もう聴けることはないんだと思ってたので本当に嬉しかったです。
でもすごいですよね、さっきまで高らかに決意を歌い上げるシシィだったのに、もうそこには傷心のモーツァルトがいて…最初の「♪音にたわむれて遊ぶ」のワンフレーズがもう涙声で…。
マドモで毎回ボロ泣きしてしまってたんですけど、コンサートでもやっぱり泣いてしまいました。

 

・世界はあなたに笑いかけている

ASUMIC SUPER BANDの紹介タイムを経て「ガーリー」セクションへ突入〜!
コンサートTシャツに赤・紫・緑の3色膝丈ティアードスカート、カラフルな大ぶりアクセサリーをたくさんつけて登場されたみりお様、普段あんまりお見かけしないスタイルで新鮮でした!こういうのもかわいいな〜!なんでも似合うな〜!
そんなポップでキュートなみりお様にニコニコ笑顔で「♪ほら笑って」とか歌われたら、ちょっとした骨折とかならいけそうな気がしちゃいますね!

 

・LA・LA・LA・LOVE SONG

これも十八番の気がする!歌い慣れてる感じがしたので、カラオケでよく歌ってらっしゃるのかな〜。
というか明日海りお様がいるカラオケとは…?それはもうカラオケではなく「会場」では…?
ジャズっぽいリズム感が楽しい曲に明日海りお様の爽やかさが加わって、聴いてると心が軽くなる感じがしますね!私は車を運転しないんですけど、これを聴きながらドライブとかできたらすごく良さそうだな〜!

 

・気分上々↑↑

ダンサーの皆さんの紹介パート、ほんと皆さん個性的でスキルも高くてかっこよすぎる〜!と楽しく見てたらその流れで最後に出てくる明日海りお様。ちょっとゆるっとした振り付けがかわいいです。
そこからダンサーの皆さんと合流してのダンスパートがありまして。
私はみりお様のダンスがめちゃくちゃ好きですけど、みりお様はいわゆるキレッキレのダンスが売りのタイプではないわけで…あれだけのスーパーダンサーさん達に囲まれて踊るの、結構ハードルが高いと思うんですが、そういうのから逃げないというか真っ向勝負するみりお様のストイックさが本当にかっこいいなと思います!
ダンスパートが最高潮に盛り上がって弾けての気分上々↑↑への繋ぎ、めっちゃ楽しかったな〜!立ち上がって踊りたいぐらいでした!!

 

HOTEL PACIFIC

ちょっとクドめの懐メロ歌唱&コミカルでキャッチーな振り付け、なんかクセになっちゃいますね!というかここへきてこれだけ踊りまくるのほんとすごいな、TAIRYOKU∞夢眩ですか??
サビの部分で両腕を胸の前でキュッとして首を横に倒す振りのとこ、倒す時に目をつぶるのがかわいくていいですよね〜。
あと「♪風に燃える陽炎みたい〜」のとこのストップモーションのとことか、「♪TO ME〜」で親指で自分を指してゆっくり下げるやつとか、ほんとに見てて楽しいです!三井先生、こんな振付もされるんですね。
曲終わりで愉快な中腰ポーズのまま「さよなら〜」とハケていかれて、これが本編ラストなんだ!?とあまりのゆるさに笑っちゃったな…かわいかった~

 

・恋を止めないで(アンコール)

もちろんアンコールありますよね〜!とワクワク拍手していたら、先ほどハケていった下手袖からひょこっと明日海りお様が再登場されるわけですが!
タイトなシルエットに大きなフリルがついたアイボリーのドレス、レッドリップに髪はオールバックという、美全開モードで!ベ、ベストドレッサー!!!いやレッドカーペット!!!あまりにも美!!!!
なもんで、さすがにそれまで歓声をギリ飲み込んできた客席もざわついており…
私も明日海りお様の美しさについては7年かけて重々承知していたんですけど、こんなに美しかった!?と本当にびっくりして…今回は5公演拝見したんですけど、5回びっくりしました。毎回予想より美しいってどういうことなん…?
当のみりお様は客席のざわつきに「何かありました?」みたいにキョロキョロしてる回もあったので、「あなたがあまりにもお美しくてざわついています」て書いたウチワ、用意しとけばよかったな…。

美にやられて記憶が曖昧なんですけど、確かここでダンサーさんの紹介があった気がします。毎回ハートをぶつけてくる三井先生とのやり取り、すごくかわいかったな〜。

そしてみりお様の「惚れ直していただけましたでしょうか〜?」に対して客席が大拍手して、「♪恋をとめないで」に突入するくだりが大好きなんですけど、東京最終日で客席の拍手に対して「だろうな!」と言って下さって、通じた〜!と思ってすごく嬉しかったです。ファンは全員ベタ惚れであると自信を持っていていただきたいので!!
授賞式のようなドレススタイルで白いヒールと、とてつもなくエレガントなスタイルでありながらステージを駆け回り、飛び跳ねながら「♪だからどうした お前の気持ちだろ」と男前に歌ってくれるのがめちゃくちゃ素敵で…。
大好きなご贔屓に、惚れ直しました!と拍手で伝えられて、その気持ちそのまま「♪Don't stop my love」でペンライトを振れて、それを受けてはじけるような笑顔で「♪恋をしようよ」って歌ってもらえるなんて、ファンとしてこんなに幸せなことはないな、という幸福感で胸がいっぱいになりました。

 

・ケ・サラ CHE SARA(アンコール)

最後の最後に…!こんなん泣いてしまいますよね…。
退団公演『シャルム!』で歌われた、最後のソロ曲であるケ・サラ。
私にとって花組トップスター・明日海りお様との「お別れの曲」だったケ・サラ、今の明日海りお様が再び歌ってくれたことで「あの頃のかけがえのない思い出の詰まった曲」として新たに受け止めることができました。
あの時は無理です〜と胸を痛くしていた「♪明日を信じて生きよう」も、とても心強くて…これからもずっと歌っていただきたいな…。
そして今回初めてこの曲を聴かれた、退団後からのファンの方々にとっても、初めてのコンサートで聴いた大切な思い出の曲になっていたらいいな、と思います。

 

ケ・サラを歌い終わったみりお様、下手端まで来て深々とお辞儀をされて、次は上手端まできて同じく深々と…端の端まで気持ちを丁寧に届けてくださる姿が優しくて…なんかもう神々しいほど美しかったな…。
最後は中央の階段をのぼり、コンサート開始前と同じ光の粒子が輝くスクリーンが左右に開くと階段が続いていて、のぼっていく明日海りお様の背を最後にスクリーンが閉じていったんですけど…キラキラから生まれキラキラへ帰っていく…最高の終わり方でした…!!

 

振り返ってみれば「クール」「エッジ」「ガーリー」「エレガント」に加え、「フェミニン」も「ナチュラル(MC)」もあったし、最後はもう「女神」じゃない…?と予告以上にたくさんの魅力が次々に押し寄せてきて、とにかくときめきっぱなしの2時間半でした!!
帰り道は毎回、私は本当に素敵な人を好きになったんだな、としみじみ幸せで…感謝しかありません…。
これからもずっとずっと応援したい、この美しい人を支えるファンの一人でありたい、という気持ちでいっぱいです。
そんなわけで本当に最高のコンサートでした!Blu-rayが届くの楽しみだな〜〜〜!!

ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』感想

舞台に立つ明日海りお様を約半年ぶりに拝見できる〜!ポーの再演、エリザガラコンときて、いよいよ新作主演!!
ということでとっても楽しみにしてた『マドモアゼル・モーツァルト』、とっても良かったです!!!かわいい明日海りお様も、かっこいい明日海りお様も、美しい明日海りお様も、カツオブシ状態の明日海りお様も拝見できました!!

全場書くとローーーング感想文になってしまうので、特に好きなとこだけ書き残しておきます。明日海りお様のことばっかりです。

 

モーツァルトの誕生

死後の場面から始まり、覆う布を取り去ると生前の本人が現れ物語が始まる…というミュージカルではままある導入、などと落ち着いて観てたのも束の間、少女エリーザちゃんがあんまりにもかわいくてめちゃくちゃ動揺しました。ご贔屓の少女役、初めて観たよ〜!

天井からくるくる回りながら落ちてくる羽根ペンをキャッチして、物語がスタート。
エリーザちゃん、楽譜をつまらないとポイしたり、羽根ペンでふざけたり、思い切りスカートをたくしあげて階段を登ったり、お転婆でかわいかったな〜。
楽譜ポイして即興で楽しく弾いたきらきら星変奏曲、怒られると思ったらパパが超褒めてくれて…。男として育てるなんてとんでもない、と必死で止める母や姉に対して、エリーザ自身があまり嫌がる様子がなかったのは性別云々より既に音楽に夢中だったからなのかな…。

 

・噂の男

超ダンサブルアレンジなトルコ行進曲にのせて、モーツァルトの音楽に熱狂するウィーンの人々といけいけドンドンなモーツァルトのダンスシーン!
有難くも最前列で観劇させていただけた回があったんですけど、冒頭「レッツパーリナイ!カモン!!」て元男役度全開で煽られたにも関わらずちゃんと座席に座っていたので褒めて欲しいです。ときめきで転げ落ちそうになったので、最前列には安全のためシートベルトを設置した方が良いのでは…?

「♪どんな人 天使のよう」で両手でちっちゃい羽ポーズするのも可愛いし、「♪優しくかわいいアイドルよ」でギャルピースするのも最高だし、「♪噂の天才 モーツァルト!」で片手上、片手横に伸ばして両足曲げてピョンと跳ぶのほんと天才だし、後ろ手でピアノを奏でながらオラオラするのに至ってはもう、めちゃくちゃ好きなんですけど〜!?!?私にもウィーンの人々やらせて下さい!!

ウィーンの人々から逃れたモーツァルトサリエリの出会いの場面。
追っかけ女性をやり過ごす為、サリエリの体の後ろに隠れるモーツァルト、すっぽり隠れちゃってかわいいな、しかしやはり女性に追われるの超似合うな、とニコニコの私と違っておこ!なサリエリモーツァルトに「おじさん」と言われて、「おっ…!?」ってなるの毎回笑っちゃったな〜。
サリエリって、あのウィーン一(いち)の作曲家の!?」て言われてまんざらでもない顔してたら、「僕は世界一の作曲家、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルトですよろしく!」って爽やかに言われた後のリアクションとか、平方元基さんの受けのお芝居が上手で楽しかったです。

そんな2人のデュエット、メロディーがめっちゃいいんですけど、これは小室哲哉さん作曲の『Love』なんですね。マドモは音楽座オリジナル初演で小室哲哉さんが楽曲提供したことでも話題になっていたそうです。
「♪なぜか気になる〜」という明日海りお様のパートがかなり高音でしたけど出されていてすごかったな…。からの聴き慣れた男役音域の「♪僕は何者 男 女 僕は僕さ」の伸びやかさも捨てがたく…歌詞も声も胸にしっとり響いて、また聴きたいな…音源売って欲しい…。

 

・結婚序曲

羽根ペンを持ち、音楽と戯れるように作曲をするモーツァルト。男性アンサンブルさんにかわるがわるリフトされて移動する空中姿勢が美しくて、私の中のノブがずっと「体幹がすごいんじゃ」って言ってました。
とにかくムヒムヒ楽しそうなモーツァルト、ここの草花柄のベスト+サーモンオレンジのパンツの組み合わせも可愛かったな〜!

コンスタンツェと結婚するよう迫るコンスタンツェ母、徳垣友子さんは音楽座に所属経験もあるようで、実力十分&芸達者な方で見てて楽しかったです。
モーツァルトと一緒に逃げ惑う男性アンサンブルもアルマヴィーヴァ伯爵とドン・ジョバンニという納得の人選でとっても愉快でした!

 

・あやしいアリア

モーツァルトを誘惑するカテリーナの場面。ここめちゃ好きでした!!
石田ニコルさん、ファントミラージュ!のギャンヌ署長がはじけてて好きだったんですけど、カテリーナもすごく良かったな。セクシーかつ気品があり、迫力美人かつコケティッシュ、そのうえ好きな人には一途て!!ふわっと眉に赤シャドウのメイクも素敵で、スチール写真があったら購入待ったなしのビジュアルでした。

アリアを歌いながらピアノを弾くモーツァルトに胸元を見せつけてみたり、扇で腕をなぞってみたり、あの手この手で仕掛けるカテリーナ。
後ろから抱きつこうとした彼女の手を掴んで、誤魔化すようにキスをするモーツァルト、初日はチュッ♡て感じだったのに公演後半にいくに従ってめちゃくちゃ長ーーーく吸っててウケました。
ウフフ♡と微笑みあったと思ったらモーツァルトに手で制止されて唇をとがらせるカテリーナ、ほんとかわいかったな〜。あとコンスタンツェ母に追いやられてトテテテッて移動するのも超かわいかったな〜。

 

・狂おしい夜

コンスタンツェと結婚してしまったモーツァルトが彼女に本当のことを打ち明けるまでの夜の場面。最初の夜の三日月から、少しずつ月が満ちていくことで日にちの経過があらわされてたの、シンプルでよかったです。
基本的にはコメディ色強めの場面ですけど、ここのモーツァルトのソロ、『♪ひとつの嘘が』も短いけど切なくていいんですよね。すぐまた作曲に戻っちゃうけど…。

女性であることを打ち明けて、コンスタンツェが出ていってしまい、「どうしてこんなものがついてるんだよ」と胸元を押さえるのが見ていて本当に苦しくて…。
作曲を続ける為に男性と偽るしかなく、この時点でそのこと自体はモーツァルトは受け入れてるように見えていたんですけど、その結果初めて他者を明確に傷つけてしまって、「どうしてこんなものが〜」=「自分が男であれば」という気持ちになったのかな…。

その流れでの『♪パパどうして』は胸に迫る歌唱で…。辛いことも悲しいことも音楽に昇華させて喜びに変えてきたモーツァルトが、「♪あなたが教えてくれた音楽が 僕を苦しめる」と歌うなんて…。
「♪悲しみになんかに負けたくない だから教えて 光を見せて」でモーツァルトの目に涙が光っていて、なんかもう、胸がギュッとなってしまい…毎回ボロ泣きしていました…。

 

・演奏会

コンスタンツェの妊娠を発表した後のソロ『♪子供ができた』は小室さん作曲の『♪永遠と名づけてデイドリーム』で、歌詞は異なりますがやはり名曲ですね…。
自虐的な「♪僕に子供ができた まさに奇跡 これでいい」という出だしから、「♪落ちる木の葉のように戻れない(昨日には)」とコーラスに加わっていたアンサンブル(モーツァルトのオペラの登場人物であり、取り巻く音楽の精霊のような皆さん)も少しずつ姿を消していき…すっかりお客が入らなくなった演奏会で形ばかりのお辞儀に繋がる流れ、めちゃつらいですけど演出的にはうまいな…という感じですね…めちゃつらいけど…。

モーツァルトがガラガラの客席の上手を見て、下手を見て、沈んだ表情でお辞儀をするところ、「そういう時期もあるよ、大丈夫だよモーツァルト!」という気持ちと、「お話と全然関係ないんですけど明日海りお様には絶対そんな顔させないので!いつどんな場所のどんな公演でも絶対満員の客席を私達ファンが作ってみせるので!!!」という気持ちごぶごぶで観ています。

 

・ラバーズ・コンチェルト

コンスタンツェと、モーツァルトの弟子フランツの逢瀬の場面。舞台前場で1人座り込むモーツァルトの孤独が強調されて、でも同時にモーツァルトはずっとスポットに守るように照らされているんですよね…。
それが「音楽の祝福を受けている人」「神様からのギフトを受け取った人」の象徴のようにも見えて、フランツの「(音楽の才能は)僕なんかとは比べものにならない。でも君を愛する気持ちは負けない。」という台詞との対比が際立つなぁと思います。

 

ドン・ジョバンニ

ダ・ポンテ役は鍛治直人さん!『ポーの一族』が初ミュージカルだった鍛治さん(庭師ビル/アラン叔父)と早くも再共演でしかも仲良し2人場面、なんだか嬉しかったな〜。文学座ご出身の鍛治さん、ポーよりも更にミュージカルに馴染んでいてすごい…。カサノヴァの名前が出るところは元々なのかな。もしくは今回の脚本のお遊びなのかな〜。

一幕ラストとなるドン・ジョバンニの場面、映像演出も凄いし、ドン・ジョバンニ役の渡辺謙典さんのダンスも迫力があって、いつもドキドキしながら見入ってました。

 

・私はエリーザ〜サリエリ演奏会

盛り髪にドレス!レディスタイルで登場のモーツァルトのナンバー。かわいいよ〜!髪は天使の翼だし唇は露に濡れる薔薇の花びらだし瞳はきらめく星だし真珠のようなその手にキスしたくなりま〜〜〜す!!最高の歌詞!!

エリーザとして女性姿でウキウキ出かけてったサリエリの演奏会で、サリエリに一目惚れされちゃうモーツァルト
確かに「もち!(男性口調)…ロン♡(ぶりっこ)」とかめっちゃカワイイもんね、しかしサリエリよ…と思ったけど、そういえばサリエリは一幕でモーツァルトと出会った時に早くも心を奪われて『Love』を歌っていたので、見た目が男だろうと女だろうと惹かれる相手として一貫してるんですよね。そう思うとすごいなサリエリ

サリエリがエリーザの手にキスする時、反射的に背を向けたカテリーナはきっと予感してしまったんですよね。その後の『♪心乱れて』もカテリーナパートが切なくて苦しくて…カテリーナ、幸せにしてあげたい…。

 

ピアノソナタ

コンスタンツェブチ切れにより、自分が現実の生活と向き合っていないことに気づいたモーツァルトが、サリエリに別れを告げる為、エリーザとしてサリエリを訪問する場面。
カテリーナの「さよなら」はこれが別離の言葉だと分かるし、最後のお辞儀の優雅さ、美しさよ…石田ニコルさん、素敵なお芝居をされる方だなぁと大好きになっちゃいました。

そんでサリエリモーツァルトね〜!
エリーザに自分の音楽を褒められて嬉しくて、でも彼女は譜面からどんどん離れていって、それはきっとサリエリには出来ない自由な飛躍で、愛とプライドと羨望がぐちゃぐちゃになってああなっちゃうの、サリエリも苦しいよね…。楽譜破くところ、本当につらい。

サリエリは自分の音楽を否定されたように感じるけど、モーツァルトはもちろんそんなつもりはなく…。
モーツァルトの「喜んでくれると思って」は、幼少期にきらきら星からの即興をパパが褒めてくれたこと、家族が喜んでくれたことが根っこにあるんだろうなと思います。

 

・新しい依頼主

みんな大好きシカネーダーさん登場の場面〜!重めの空気を吹き飛ばす音楽とダンス、毎回楽しみにしてました!
シカネーダー役の古屋敬多さん、初めて拝見したんですが、独特な雰囲気とキレキレのダンスがシカネーダーにめちゃ合ってましたね!最前列で観た時、とにかくお目目がキラッキラしてたのにびっくりしました。
「♪そ〜の〜タイトルは、魔笛!」「素敵!」という掛け合いに毎回フフッとなりつつ、モーツァルトがメキメキ元気を取り戻していくのが嬉しかったです。

そして魔笛の作曲を行うところ、間違いなくこの演目の山場ですが、とにかくもう固唾を呑んで見守るばかりというか…。これまではリフトされつつ鼻歌交じりで作曲してたモーツァルトが、何かに取り憑かれたように作曲に没頭する姿には鬼気迫るものがあり…これが産みの苦しみ…これが「限界を超えて自分を削る(演出の小林香さん談)」カツオブシ役者・明日海りお…!!

苦しそうな息遣いで、床に這いつくばって、震える手で楽譜の最後の1ページを書くところ、「頑張って」と「もうやめて」がぐるぐるして毎回涙目になってるんですけど…。
ようやく完成して、窓の外には朝日が昇っていて、そこで劇中屈指の名曲て、そんなん号泣待ったなしですやん…。

 

魔笛

いよいよ魔笛の上演!私はオペラはちゃんと劇場で観たことがないんですけど、おそらく爆速展開しているっぽくて楽しいです。ここも映像演出がすごかったな〜。束の間、ウィーンの聴衆気分を味わいました!

そして古屋パパゲーノと明日海パパゲーナの場面!ファンの間では割と有名なんですけど、明日海りお様は鳥が苦手でして…でも鶏の唐揚げはお好きだそうなんですけど…鳥刺しのフワフワのお衣装と対面した時、どういうお気持ちだったのかなぁ〜お2人で頭を擦り付けあう振りのとことかめちゃカワとか思いながら観てました。
でもプログラムを読むとパパゲーノとパパゲーナの姿はモーツァルト自身の心の対話を表現しているようにも見える、等書かれており…深い…ただただカワイ〜と思っててすみません…。

 

・成功

場面の名前の通り、大成功した魔笛
シカネーダーさんが「観客達は歌を口ずさみながら帰っていった」と言ってくれて、作曲家にとって1番嬉しいだろうことを伝えてくれて優しいな〜。

そんでサリエリとの場面…ここ大好きで毎回泣きそうになっちゃうんですよね…。
これまでは「とても気に入ったよ」「あれは傑作だと思うがね」と、どこか上から目線でクールに褒めてくれてたサリエリが、「素晴らしかった!」「お客はみんな満足してたよ!」と感情をあらわに伝えてくれるわけで…!
それだけでもすごく嬉しいのに、モーツァルトが「知ってたんでしょう。僕が」女だって、と言いかけたのを遮って、「大切なのは、君がモーツァルトだということだ」と力強く言い切ってくれて…男とか女とか関係なく、モーツァルト/エリーザを存在そのまま受け止めてくれて…ありがとう、ありがとうサリエリ…!

感謝と友情(もしかしたら少しの愛情)をこめたお辞儀でサリエリを送って、その場に倒れるモーツァルト
通りかかったシカネーダーが慌てて抱き起こして、苦しいのか、と胸元をゆるめて息を呑んで。
モーツァルトは震える手でシカネーダーの口を塞いで、小さく首を振るんですよね…ここ、初日に観たあとしばらく頭から離れなかったです。自分の評価とかではなく、父親やコンスタンツェやサリエリ、秘密を守ってくれた周りの人の為に、最後まで真実を明かさずに生涯を終えたかったんだろうなと思います。シカネーダーが頷いてくれたあとの、安堵したような微笑み…儚くて美しくて、忘れられないな…。

 

・雪の降る街

なんかもうこの辺は毎回ベソベソになってるんですけど、音楽が流れるなか誰もいない前場を照らすスポットライトを見てサリエリモーツァルト!って呼びかけてるの、分かる〜!ってなってます。ふとした瞬間に思い出していこうな!平方サリエリのそういうロマンチック男なとこ好きだよ!

メインビジュアルのお衣装で再登場したモーツァルトが光の輪の中をきらきらした顔で歩く、ただそれだけなのに幸福感に満ち満ちていて、私はもうベソベソを通り越して浄化され、(気持ち的には)体が半透明に…。そして物語の始まりと同じように天井から落ちてくる羽根を再び受け取って、精一杯光へ手を伸ばすモーツァルトの姿を、こちらも精一杯目に焼き付けて幕となりました。

 

これは完全に私が明日海りお様のファンだから勝手にそう思ってるだけですという話なんですけど、
私は明日海りお様も神様から表現者としての才能を受け取っている人だと思うので、舞台のスポットライトは明日海りお様にとってまさしく祝福の光で、その光の中で輝いていらっしゃるのが本当に嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいになるし、ずっと見ていたいし、何度でもこんな幸福な瞬間が明日海りお様に訪れて欲しいと願っています…というようなことが光に包まれるモーツァルトを見ながら心の中を駆け巡ったので、書き残しておきます。やっぱり舞台に立つ明日海りお様が1番好きだな〜!!

 

以上、マドモアゼル・モーツァルト、とっても良かったですメモでした!
Blu-rayか、せめて音源を販売していただけたらとても有難いのですがどうでしょうね…!よろしくお願いいたします!!

 

ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』(2021)感想・第二幕

東京公演も無事全日程が上演され、いよいよ名古屋公演ですね。どうか何事もなく、大千秋楽を迎えられますように…!!
という祈りもこめて!私は書くぞ、消えた男爵夫妻だけでなく第二幕もろもろ~!!

 

第二幕
第1場B 婚約披露パーティー

『神様は不公平』を歌うのはバイク・ブラウン役の丸山泰右さん。数々のミュージカルにご出演されてきただけあって、さすがの安定感&表現力のある歌声で盛り上げてくれます。
というかバイク、確か先週ぐらいに大学の同窓会ぶりにたまたま再会したのに婚約披露パーティーの歌司会してくれてめっちゃいい奴…歌上手いし褒めちぎってくれるし、司会業に転向しては…?

最初に結婚しようと思ったのはいつ問題、クリフォードの「ジェインにお茶を出された時」は適当っぽいんですけど、ジェインは「(クリフォードを迎える為)玄関のドアを開けた時」で本当にその瞬間に素敵な人、と思ったんだろうな…というのがちょっと切ないですね。
幸せいっぱいに見える二人の本当のところを知ってる客席としては「なんて似合いのカップルなんだ」「これ以上望ましいカップルなんて」という歌詞に、どういう顔したらいいか分かんないな…と思いながら観ています。

アランの「エドガーがいない」、苛立ってるというよりかは「いなぁい」って残念感が強くてかわいいな〜!駄々っ子アラン!
全然純情そうに振る舞えないマーゴットはまたしてもアランに振り払われてしまい…でもその後、強気でドレスを持ち上げて武藤寛さんを奪ってぶん回したりしてるマーゴットの方が私は好きだよ!

同じくチェンジパートナーのタイミングでさらっとクリフォードと組むシーラ。美術品のようなデコルテが眩しい!この場面のシーラのドレス、チュールの中にお花をキャンディみたいに包んで、それがリボンみたいに流れていて本当に素敵なんですよね~!
シーラがクリフォードを誘惑する傍ら、ブラヴァツキーに降霊会へ勧誘される男爵。渋い顔しつつダンスにも付き合っていてちょっとかわいい。
ブラヴァツキー、男爵が自分に背を向けてる時はなぜか口を開けて&匂いを嗅ぐみたいに背中に近づきつつ、男爵が振り返ったら涼しい顔してたりして、涼風さんが楽しそうで何よりです!

 

第1場C ホテルの片隅

リーベルの「兄さんの言うお友達って、どういう意味か解ってるの…」というセリフ、漫画だとエドガーが「きみは…それでいいの…?」と問い返して、『きみはだまってそこにいる なにもいわずとも そしてわかってくれる』というモノローグと一筋涙を流すメリーベルの表情の絵があるんですけど…毎回その絵を思い出してなんともいえず胸がギュッとなるんですよね…。

アランと思いがけず出会ってしまって動揺するメリーベル、友人として振る舞いながら時々見定めるような目をするエドガー、何も知らずメリーベルに一目ぼれして舞い上がっちゃうアラン。
千葉アラン、「親父はこの町で~」からのちょっと長めの婚約者説明セリフを全然噛まないし毎回すごく聞き取りやすいな~と感心してます。あと「また、会いにきてもいい?」で勇気を振り絞る感じでメリーベルの手を取るのがかわいい~!

 アランが無邪気な笑顔を見せて去った後、弦楽器の音が長く響くなかでの「どう?彼」の不穏さよ~!「それなら良かった」で優しい顔に戻るのがまた…!明日海エドガーのこういうところに本当にぞくぞくします。

 

第2場 降霊術イベント

加賀谷支配人、日に日にノリノリになっていってません?参加者の端っこに移動してから、霊界との交信~の腕の動きを一緒にやってたりして非常に楽しそうです。
シャンデリアの明滅も色々揺れるのも涼風ブラヴァツキーの圧倒的声量の影響では??みたいになってますが、降霊術イベントは盛り上がってるようで何より!途中、ねねちゃんシーラが冷たい顔でレースの扇を閉じるところが好きです。

イベント後、男性陣が降霊会の順番を決めている間のシーラとジェインの会話、シーラの「ドレスを見立てるのが趣味なのよ♡」がなんかお茶目でかわいくて!美しい貴婦人だけど気取ってなくて、ジェインの「素敵な方…」に、かなわないわ、という寂しい劣等感みたいなニュアンスがまじっちゃうのすごく分かるな…。

 

第3場A セント・ウィンザー(教室)

楽しいセント・ウィンザーだ~!険しい顔をしながらも生徒達の動きに合わせてちょこまか右行ったり左行ったりするアランがかわいい。「皆信じやすいんだね」ってツーンとしたと思ったら、「エドガー!」って駆けていくのもかわいい。エドガーの怪我が治ったのに驚く生徒達の反応に、思った通りだな!みたいな嬉しそうな笑顔になるのもとってもかわいい!
こっそり抜け出すところ、梅芸序盤に比べてかなりお芝居が細かくなっててすごくいいですね。壁にはりついたり、ちょっと身をかがめて進んでいく二人がめちゃくちゃかわいい!いっぱいかわいいって言っちゃうな~!

 

第3場B セント・ウィンザー(塔)

お気に入りの秘密の場所へ案内するって、デレっぷり半端ないな~とにっこりしちゃうと同時に、アランは「嫌なこと」を抱えてここへ一人で何度も来てるのかと思うと…可哀想でならないですね…。
「ペンダントを返せよ!」「いやだ!」とかキャッキャしてるの、めちゃかわいいんですけどセットがかなり高さがあるのでちょっとだけハラハラします。でも返してもらえて良かったね〜!漫画ではエドガーがわざと落として粉々にしちゃうからね〜!漫画のエドガー、ほんとに容赦がありません。

「神様!」と叫んで十字を切るアランが一瞬左右に視線を動かすの、梅芸ではしてたんですけど東京ではなくなっちゃった…見えない神様か何か、助けを探すみたいでいいなぁと思ってたんですけど…。
ここのソロ、東京で観たらすごく良くなっててびっくりしました。DVD、こっちを残してあげて欲しかったな…。

 

第4場 降霊会

おそらく職務上参加している加賀谷支配人、めちゃくちゃびびって椅子の上に縮こまってたりして、なんか一番エンジョイしてますやん~。
せっかく霊魂を呼び出してまで得た貴重なアドバイスこと「海辺の小屋には近づくな」、頼むから胸に刻みこんでくれ~!壁に貼って毎朝復唱してくれ~~〜!

思い悩むジェインをフォローしてくれて、クリフォードに苦言を呈してくれるバイク。ねぇジェイン、もうクリフォードやめてバイクにしとこ?ちょっと霊魂ガチ勢だけど、めっちゃいい奴だと思うよ!

 

第5場 生きる道

エドガーと男爵の緊迫したやり取りの中、「耳のすぐ下」「一番 柔らかい場所だ」の時だけどうしても男爵のバンパネラ豆知識…って思っちゃうな…。
エドガーがなぜアランを選んだと聞かれて答えた「生意気だが純粋でけがれていない」は漫画ではなく小池先生の書いたセリフですが、萩尾望都先生がすごく感激されたとのことで…講演会でもお話されていたそうです。(下記拝読しました)

「『ポーの一族』と萩尾望都の世界」講演レポート - ニュース:萩尾望都作品目録

100年以上ギスギスし続けてきたポーツネル一家がようやく一つに…!ていうか100年以上ギスギスし続けてるのもすごいな!?男爵もエドガーも、なんかこう、丸くなったりしないんだ?とか思いつつ、暗転中に少しだけ見られるここの四人のシルエットがすごく好きなんですよね…。

 

第6場 アランの苦悩(母の危篤)

再演から追加されたアランが白い薔薇の花束を執事バレットに預ける場面。アランが母を想う気持ちと、バレットには心を許しているのが感じられて、いいやり取りですね。
ここのカスター先生の芝居がすごく自然で、ただ話してるだけなのに「お医者様」って感じがするのが凄いなぁと思います。役者・西村さんの本領発揮っぷりに惚れ惚れしちゃう。

エドガーとの間にあんなことがあって、最愛のお母様は危うい状態で、内心の苦悩と憔悴を必死でつっぱって耐えてるアラン。そこへハロルドやらマーゴットやら…みんなやめたげてよ~~~~!

 

第7場 魂の絆

ここのリプライズ、旋律とサビの歌詞は塔の場面と同じですけど、前半の歌詞が自分を責めるような内容なのが悲しくて…アランは何も悪くないよ…。
あーちゃんメリーベルの「無理よ」「何故でも」もめちゃつら…駄目とか嫌とかじゃなく「無理」なんですよね…つらみ…。

そしてエドガーが現れ、『時の旅人』の場面へ。ここ、初演も好きでしたけど、演出変更されたなかでいっちばん好きです!!!!バンパネラとしての姿を全開にした明日海エドガーの迫力たるや!!怖いと美しいのハイブリッド!!

「何かあるのなら~」と歌い終わった直後、タララ♪ラララ♪タララ♪ラララ♪と音にあわせて四ポーズ連続で決めるところでときめきゲージが急上昇しちゃうんですよね…どれも素敵ですけど片足を横に伸ばして上半身を低くして両腕を広げるやつが一番かな~!!とにかく階段のセットと元トップスターの相性が良すぎる~!そんな状況じゃないのに条件反射でときめいてしまう~!!

一幕の『僕は狂っている』では恐ろしいバンパネラの自分を投影していた覆面のダンサー達を、このナンバーではまるで自分の手足のように使っているんですよね…。
アランの首を遠隔で絞めて指先をうねうねさせた後の、下から上へぐいっと引き上げる動きとその時の目、本当にバンパネラの目で、ぞわっとするけど毎回絶対に見ちゃう…。
解放されて走り去っていくアランも、残されたメリーベルエドガーも全員が傷ついていて…つら…『哀しみのバンパネラ』のリプライズが一幕よりも一層哀しく胸に迫ってきますね…。

 

第8場 ホテルのドレス・メーカー~ホテル・ロビー

がらっと雰囲気が変わってジェインのドレスを見立てる場面。華やかで大好き!
電話が入るからホテルを離れられない、とシーラが話し始めた時に狙いを察して、なんとも言えない顔でシーラを見つめるメリーベル。何も知らないジェインに優しくされて、分かってはいても複雑だろうな…。
目配せして出ていくシーラのことを「狩りに出かけた」と表現する男爵。「襲う」とか「食事をしただけだよ」とかでエドガーに超怒ってたけど、狩りはいいんだ…??男爵の地雷、難しすぎる~!

 

第9場A 海辺の道・第9場B 海辺の小屋

「メリーベルをジェインに預けてね」というセリフ、言外に「だから安心して」と伝えていて、シーラらしいしたたかなセリフだなぁと思います。
この海辺の道から小屋の場面、BGMがめちゃくちゃ好きです!
道で会話しているときは『永遠の愛』、天気が崩れてきて海辺の小屋へ向かう『嵐がやってきた』、シーラが誘惑する時に再び『永遠の愛』、そしてクリフォードがシーラの脈がないことに気づいた瞬間に音楽が消える…というのが、すごく物語の展開に沿っててぞくぞくします。

尻もちをついて後ずさるクリフォードに「クリフォード…」と囁きながら、すぅっと腕を差し伸べる仕草、劇中で一番シーラのバンパネラみを感じます。正面から見たら全身に震えが走るくらい、きっと美しくて恐ろしいんだろうな…。 

 

第10場A ホテル

階段を降りる前に男爵がエドガーの頭を撫でるやつ、いつからやるようになったんでしょうか。100年以上喧嘩を繰り返してきた筋金入りのバチバチ親子が!となんか感動しちゃいました。
髪が乱れ、唇に色がないだけであんなに美しかったシーラが見る影もなく生気を失っていて…毎回新鮮にショックを受けてしまいますね…。

 

第10場B カスターの診療所

最期に聞いた妹の声が、助けを求めて自分の名前を叫ぶ声になるの、あまりにも辛すぎませんか…。ずっと耳に残って離れないだろうし、その度に間に合わなかった後悔や哀しみに押しつぶされてしまうだろうな…。
もうここのエドガーの血を流すような言葉のひとつひとつが苦しくて…「少なくとも 僕は」メリーベルの為に、という自分の存在理由をも失ってしまったエドガーの絶叫、本当に辛いな…。

 

第10場C ホテル内

シーラが消滅して、男爵の手が空を抱くのが切ない…今回の演出、悲しくもロマンチックでいいですね。初演は2人が抱き合ったまま、組子達に持ち上げられ運ばれていくロマンチック御神輿でした。
あれだけ注意深かった男爵が人目もはばからず大声をあげたり、ボーイを吹っ飛ばしたり。
「一人で行って。私はいいから」というシーラに男爵が返す「誓ったじゃないか!」という言葉は婚約式での誓いを指してるわけですが、老ハンナに問われて誓いの言葉を口にしたのはシーラだけなんですよね。でも男爵はただそれを聞いていただけではなく、その時に男爵自身も同じことをシーラに対して誓っていたんだろうな…だから「(君は私に)誓ったじゃないか!」ではなく、「(二人で)誓ったじゃないか!」なんだろうな…と思って、「共に命果て」「共に塵となるまで」と誓いの言葉を半分ずつ口にした二人に涙目になっています。
小西遼生さんのポーツネル男爵はそんな風に思わせてくれる、シーラへの愛の強さがとても素敵ですね。最後までかっこよかったです。

 

第11場 アランの家

レイチェルに色恋を仕掛けてアランとマーゴットの結婚に協力させ、会社を手に入れるようとする叔父、そしてそんな叔父に靡いて息子の気持ちも考えず言う通りにしようとする母親…特に母親を慕っていた分、アランのショックは大きかっただろうな…。

エドガーがバルコニーに現れる場面、本当に幻想的で美しくて…。夜の冷えた空気の中に、二人の孤独、二人の傷ついた心と心が静かに吸いこまれていく感じがします。
アランが「行くよ。未練はない」と答えた時にエドガーの瞳がパッと輝くのがすごく素敵なので、DVDを手に入れたら100回見ようと思います!

 

第12場 時を超えて

初演ではクレーンを使った演出で初日の客席をザワつかせた場面、梅芸はおそらくクレーンは無いし、あっ良かった普通にバルコニーに立ってる~!と思ったら動いた~~~!2階から3階へ…また2階へ…ホームエレベーターか…?
どうしてもここは物理的に動かしたい!という小池修一郎先生の熱いこだわりを感じました。

 

第13場A ヘッセン家の居間・第13場B ギムナジウム

梅芸初日、ルイスが一人残って後ろを向いてから全然幕が開かなくてめちゃくちゃヒヤヒヤしました。「お前らどこにいるんだよ~!」「こっちだぜ~!」「早く来いよルイス~!」等のアドリブで繋ぎつつ、袖に駆け込み歌い出しに間に合わせたルイスほんとがんばった~!「ええっ!?」のびびりっぷりもかわいい~!
そんでグレン・スミスの名前を聞い時のエドガーの表情、なんとも言えず悪くていいんですよね~!完全にびびらせて楽しんでいる!
エドガーが目線だけでアランを促して、アランが頷いて扉の方へ歩いていくのも最高…わずかな仕草で意思疎通できるの最高…。
歌い踊る周囲の生徒達とは全く異なる時間の流れの中で生きていることを感じさせるような、ゆっくりとした歩みで去っていくエドガーとアランの後姿を最後に、幕となりました。
 

なんかもう、胸がいっぱいだな…と思いながら拍手をしてたら、明るくカーテンコールが始まって、明日海りお様のご挨拶とみりちばトーーークが毎回楽しくて、最終的にはにこにこして劇場を出ています。

花組ポーが大好きだったので外部再演に不安がなくはなかったけど…今の心境としては明日海りお様の公演発表時のコメント「自分が本当に納得いくまで仕上げて、皆様を『ポーの一族』の世界に誘います。 どうぞ安心して観にいらして下さい。」に嘘はなかったな、という気持ちです!めっちゃ誘われました!

公演期間の終わりが見えてきて寂しい限りですが…終わりがあるから〜?\美しい!/過行く時を〜?\愛しむ!/のコール&レスポンスを心の中で行いながら、最後まで楽しみつくそうと思います!どうか誰も欠けることなく、大千秋楽まで辿り着けますように〜!

ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』(2021)感想・第一幕

外部ポー?再演ポー?梅芸ポー?なんと呼ぶのが一般的か分からないのですが、とにもかくにも!エドガーが、時を超えてまた姿を現してくれましたね…!!
初演(宝塚・花組)のプログラム掲載の挨拶文にて「エドガーはいた。明日海りおである。」と演出の小池修一郎先生に言わしめた明日海エドガーはもちろん、千葉雄大さんをはじめとする新キャストさんや、新演出も含めて今回のポーもとっても良かったです!
という気持ちを、バンパネラ研究家の皆さんの祖先を見習って私も文章で書き残しておこうと思います。ひ孫にまで届くかな~!ひとまず第一幕分です!

 

第一幕

「彼らは自ら名乗っている。ポーの一族と!」を担当するドン・マーシャルは元四季の武藤寛さん。四季に在籍されていた頃、好きなダンサーさんだったので再会出来て嬉しいな~!そして台詞がめっちゃ明瞭~!重要な幕開きの台詞、しっかり聞かせてくれて嬉しいです!

 

第1場A ポーの一族

エドガーはセリ上がりではなくセット上センター板付き登場のため、幕開き即極上の美が現れるわけで〜!薔薇を持ってふわりと動く腕、流れる視線、ただならぬオーラ、からの「♪極上の美 永遠の命…」で、空気が一瞬にして変わるの本当にすごいです。
退団後初、1年以上ぶりの明日海りお様主演舞台だ~♡とか思う間もなく、ただただエドガーに釘付けになってしまいますね…。

「♪ポーの一族~」でのけ反る振付が好きだったので変わったのはちょっと残念だな、と思ってたけど、観てる内に今の振付も好きになってきました!それにしても男性コーラスの厚みよ…と思ってるところにぶっこまれる涼風老ハンナ・ポーの歌声、迫力ありすぎません??キング・ポーの「♪伝説の中に」にかぶせる「♪ゥアーアアアー青い霧と~」のとこ、ド迫力でめっちゃ好きです。

クリフォードとの対決のターンで、片手(からの見えないパワー)でクリフォードを持ち上げ、両腕をぶわっと開いて追い払うエドガー、下手側の席の時に薄く笑ってるのが見えまして…怖くて美しくて心臓バクバクしちゃった…。エドガーアングルでぜひ抜いて欲しいな…。初演だとクリフォードは逃げ去るので、今回の演出の方が物語には合ってて好きです。
あと、千葉アランとの絡みの部分で、エドガーがアランに差し出す手が白くて細くて、本当に体温がなさそうに見えたのがすごく印象に残っています。

 

第1場B 哀しみのバンパネラ

歌い出しの時の階段に腰かけた状態のエドガー、まんま漫画から抜け出してきたようで…。赤い薔薇も手にしていて、お耽美度が初演比3倍増しになっています。白いブラウスも無地かと思いきや襟に白い刺繍が入っていて細部まで美しく、お衣装部さんのパッションがすごい。
水色の照明、幕には青く染まる薔薇の映像と、全体的に青いトーンなのがすごくエドガーの孤独や「人ならざるもの」であることを浮かび上がらせる感じがして…手に持っている薔薇(いつか滅びて土に還るものであり、生命の象徴でしょうか)だけが赤くて切なかったな…。
あと「♪哀しみを抱いて生きる」の「生きる」部分のニュアンスが初演より強めで、「生きる」ことに対する葛藤や苦しみみたいなものをより一層感じました。
そしてラスト前に薔薇を拾って「♪僕は…バンパネラ…」からの、あの決めポーズて!!舞台写真ぜったい欲しいのに売ってないの本当につらいです!!言い値で買う〜!!

 

第2場A スコッティの村近くの森

ここの老ハンナ、初演だと優しい老婦人って感じだったので、涼風老ハンナの迫力に最初観た時はびっくりしました。館の老齢の女主人としての威厳と、根底にあるバンパネラの雰囲気があわさってますね。
そんな涼風老ハンナが言う「人間より恐ろしいものなんていないさ」、切れ味が違うな…!

 

第2場B スコッティの村の酒場

ビル役の西村清孝さん、俳優座ご出身で初めてのミュージカル出演とのことなんですが、ミュージカル独特の「歌で芝居する」「歌で台詞をやり取りする」のにあまり違和感がなくて素敵でした!独特の声も存在感がありますね。
ここの場面終わり、ちょっと曲の終わり方が弱いというか唐突というかで拍手が起こりにくいんですよね…という私もタイミングを逃しがちです…。

 

第2場C ポーツネルの館・バラの庭

かわいい~~~もうほんとかわいい~~~~!!
エドガーもメリーベルもかわいい、エドガーのベストも刺繍入りでかわいい、老ハンナとレダに生意気なこと言うのもかわいい、かわいいが次から次にぽんぽん舞台上で飛び跳ねるので私のお目目もくるくる回っております!!

 

第3場 バラの苑

エドガーの「遊ぼう!」、「あそぼ!」の時もあれば「あっそぼう!」の時もあって、とにかく毎回かわいい。毎回喧嘩になるけど。
夢咲ねねちゃんのシーラ、はたちのかわいいお姉さんって感じですね!「喧嘩なんかしてぇ」も、ゆきちゃんシーラのたしなめる感じとは違って、どこか茶目っ気があるというか。

エドガーがポーツネル男爵に言う「あなたが、幸せな人?」に、手放しで祝福ではない複雑な雰囲気があるの、ちょっとしたニュアンスですけど細かくていいなぁと思います。そんでそれに男爵がぜーんぜん気づいてないのも。エドガーにとってポーツネル男爵は最初から確執のある相手なんですよね…。

男爵とシーラのキッスにエドガーとメリーベルが二人揃って驚いて口を丸くするのがめちゃかわで!その後慌ててメリーベルの目を覆って、適当な花にとまった蝶とかを指さしてメリーベルの気をそらすエドガーも気をそらされちゃうメリーベルもかわいいです。梅芸楽ではエドガーがベストの裾をマントみたいに広げてメリーベルの視界をガードしてました。

 

第4場A 婚約式

寝起き即ええ声の福井キング・ポー!初演では台詞だったところも歌になってます。
せっかくおめかししたのに「その品のない恰好はなんだ」て怒られちゃうフランクかわいそうですね。おじいちゃん、これが今の時代の流行りだよ。

娘役にしては背が高いのと、白鳥みたいに細くて長い綺麗な首でドレス着こなし力1億点のねねちゃん、花嫁衣装が圧巻の美しさで…!目を閉じて椅子に座っている姿、お人形みたいだったな…。

僕だってこの館に住んでるのに!とちょっとした好奇心でのぞきにきたエドガーが、目の前で展開されることに「まさか」とどんどん表情を変えていくのがすごくリアルで、上手端ばっかり見ちゃってすみません。でも是非見て欲しい~~~!
エドガーが捕まったあとも観たいところが多すぎて大変なんですよね…。
エドガーはもちろん、メリーベルの不安げな表情、メリーベルに優しい顔を見せた一瞬後にはエドガーに鋭い視線を向ける老ハンナ、一族に従いつつ気の毒そうな表情を浮かべるレダと、毎回目が足りないです。

 

第5場 館

村人の酒場の場面を挟んで、翌朝の館。メリーベルを安心させるよう、精一杯明るく楽しそうに振る舞うエドガーが切ない…。

シーラの「何故?望んで一族に加わったのに?」のきょとん感、シーラからするとそうなんでしょうけど、それにしたって一切の葛藤がないのか、と苛立っちゃう気持ち、よく分かるよ…。それとは別でねねちゃんのすっとぼけ感が癖になるな…。

 

第6場 対決

初演より大人数で老ハンナを追い詰めにくる村人たち。消滅の演出自体は変わってないけど迫力がすごい!

キング・ポーがエドガーをバンパネラにしようとする時、レダは悲しそうな顔をしているし、ポーツネル男爵は若過ぎると止めようとしてくれるんですよね。対してシーラは「一族の危機だ」で頷いてて。愛する男爵との永遠の愛、一族の危機を救うことの方がシーラにとっては重要で、そのシーラがエドガーを最後に促すの、やはりシーラがただ優しく美しいだけではなく、したたかさや恐ろしさも身の内に持っていることを感じますね…。

 

第7場A 馬車~エドガーの覚醒

『ゆうるりと』、時間の経過と体の変化、歌詞の内容とメロディーがすごく合ってて…聴いてると自分の体も何かしら変化しちゃいそうな気持ちになるな…。
追加された、漫画にあるシーラとエドガーの「あなたは自分をのろわないの」「なぜ?」「…なぜ?」「なぜ?」のやりとりで、ねねちゃんシーラのきょとん節がまた炸裂するわけですが、ここの全く話が通じない感じがちょっともう怖くさえあるんですよね。ねねちゃんシーラ独特の雰囲気だなぁと思います。

 

第7場B ロンドンの市場

コヴェントガーデンだ~~~!「♪野菜に果物」の野菜でスイカが放り上げられるタイプの市場だ〜〜〜!!
新しい振付、「♪ロンドン中の食欲をまかなうマーケット」でおなかの辺りで手をパカパカするのが分かりやすくてかわいいです。
市場に迷いこんだエドガー、「メリーベルと銀のばら」の中の台詞から「♪血がほしい ほしい!生命(いのち)のかて あの色はどうだ ぞくっとする」と短いソロが追加になってました。市場を移動しながら、日光も眩しいしお魚にうぇってなるし、パンの匂いも無理っぽくてめちゃくちゃつらそう…。

ディリーと一度ぶつかって血を見たあと、自分の体に起こる反応に怯えて一生懸命落ち着けたところに「この薔薇あげるよ!」とディリーが再び接近してきて…首筋を狙う時の目、漫画では「青く光る」というような描写がされてるけど、それが分かるような目つきでした。
それから自分がしたことに気づいて悲鳴を上げて走っていくエドガーが本当に可哀想で…。皮肉にも人間の食欲をまかなう市場で、エドガーだけが許されない…。

エドガーの狂気』、男性ダンサーさんが入ることですごく迫力が増してました!顔に仮面をつけて激しく踊る彼らから、エドガーがイメージする「恐ろしいバンパネラの自分」がどんなものかがめちゃくちゃ伝わってきました。
「♪ああ あの日々~」からの胸を締め付けられるパート、胸を締め付けられつつも私は明日海エドガーのお顔をガン見してしまうのですが、影が幕に映ってて苦悩の大きさが伝わってくるし演出としてかっこいいんですよね…9割お顔見ちゃうけど…。

 

第8場 ヘッセン家の居間

「5分で分かる『メリーベルと銀のばら』」みたいになっていますが、それでも最低限必要な情報を詰め込んでなおかつメリーベルにソロを増やす小池先生の熱意よ~!
Twitterでも呟きましたが、漫画未読の友人がユーシス母の台詞に理解が追いつかなかったとのことなので画像を作ったりしました。

ユーシス役の新原泰佑さん、ダンスのキレも金髪ロングの着こなし?かぶりこなし?っぷりも素晴らしかったですね。梅芸楽間近の観劇日、1回ナイフがすっぽ抜けてしまった回があったんですが、咄嗟に自分で自分の首を絞めるアドリブ動作で乗り切ってました。

リーベルエドガーが連れていくところは物語を端折った影響で漫画とは少し違いますが…あーちゃんメリーベルが「ずっと待っていたのよ!」とすがりつく声の響きと、意識を失ったメリーベルを抱きしめるエドガーの表情で、舞台版も成立してるなぁと思います。 

 

第9場 ホテル・ブラックプール

リーベルが加わったところから約120年ぐらいが一気に経過して、1879年のブラックプール。飛び込んでくる男性ウェイター達のジャンプが高すぎて度肝抜かれました。
サミー・アボット支配人の加賀谷真聡さん、経歴的にダンスの方のようでもちろん素晴らしいキレなんですけど、歌も明るく歌詞も聞き取りやすくて!四季さんのキャッツでスキンブルシャンクスとか超似合いそうです。

ここのポーツネル一家の登場場面、めちゃくちゃ好きなんですよね~!4人が階段上に揃った時の美しさと人外感にぞくぞくします。ホテルのお客さん達も一家に本能的な異質さを感じても、あまりに美しいものを見た衝撃と一緒くたになっちゃうんだろうな…。
エドガーのお衣装は初演の深緑も好きでしたが今回のマルーンカラーも素敵ですね。バンパネラになってから120年以上が経過して一幕前半とは纏う雰囲気が全然違うのが凄くて見入ってしまいます。
あと平場に降りてきて、クリフォード、シーラ、エドガーの三人でゆっくり回って視線を交わし合うところ、エドガーがクリフォードを睨み付けたあと、シーラにも「ハァ?」みたいな顔してるのが好きです。

一家がはけた後、ようやくご登場のアラン・トワイライト~~~!プンスカしててかわいい~~~!!両手もしくは左手を腰に当てるポーズが偉そうかわいい~~~!!

 

第10場A ホテル内ロビー(クリニックの前)

クリフォードとシーラの会話を少し離れたところで柱にもたれて聞いている不機嫌なエドガー、ここも舞台写真があったら爆売れしちゃうやつですね。氷のような目が美しすぎる~~~!
同じく絶対零度の「嫌なお医者」もぞくぞくします。人間の時からは想像もできない酷薄さで…でも怒って走っていく姿はなんかちょっとかわいいな…。

 

第10場B ホテル内ロビー

お互い家族と衝突してイライラしてるエドガーとアランの出会いの場面。
千葉アラン、ツンケンしてるというよりプリプリ怒ってる感じがかわいいんですよね〜。セント・ウィンザー!(ドヤァ)とか、もうニコニコしちゃう。
そんで千葉アランかわいかったな~と思いながら見送って、階段下の明日海エドガーに視線を移して、エドガーが何事が考えながら口元へ指先を持っていってるのを見てときめくまでがセットです!

 

第11場 セント・ウィンザー

とにかく躍動感がすごい生徒達。エドガーと対極にある落ち着きのなさと生命力が眩しいし、「♪仲良くし~と~こ~~~」の振付がかわいい。
ここの千葉アラン、梅芸初日に観た時はまだ歌でいっぱいいっぱいで表情も固くてずっとクールなツン顔だったんですけど、あれよあれよと進化されて…梅芸楽には「♪従うんだ!」だけ台詞に近くしたり、「♪アラン・トワイライトの規律に~」で自分の胸をトントンとしたり、「♪十八になれば受け継ぐこの街を」では得意そうな顔になったり、どんどん表情豊か&歌も自由になってきていてびっくりしました!

対する明日海エドガーからも当然目が離せないので、双眼鏡の反復横飛びが半端ないですね。前方席ならいけると思いきや、眼球が反復横飛びしてました。
エドガーが生徒達に取り囲まれて、なるほど~?みたいな表情してるのはかっこいいから絶対見たいし、「♪偉そうに何を言うんだ」から超イキイキしだすのも最高だから絶対見たいし、「♪僕なら目障りなやつはこの手で」で取り囲む生徒全員の目を順番に見てびびらせてからの「♪始末する~」で手をパァン!ってやるのでとどめをさされたいから絶対に見たい!!!!
「もう少しマシなやつだと思ってた」の時に一瞬で上から下まで一瞥しての「バァイ」もすばらしくて、ここのエドガー、本当に楽しそうだな~。

 

第12場 ホテルの部分

涼風ブラヴァツキー、初見の方だと老ハンナと同一人物って分からないのでは…?あのだみ声、ほんとどうやってるんでしょうか…そんでお化粧で分かりづらいけど、ずっと頬膨らませてるのかわいいな…。
ジェインのお衣装、髪飾りのリボンはドレスと共布なのが控えめながらお洒落でかわいいです!ジェインの能條愛未さん、シャイでちょっと地味だけど清楚でかわいい感じ、めちゃくちゃジェインにぴったりだな~と思ったら乃木坂の方なんですね!
芝居慣れしてるように見えたので、失礼ながら少し意外で…でも本当に居方が自然で、稽古が始まってからマルグリットも演じることになったというのも納得です。

 

第13場 クリフォードの診療所

「母に報告します!」と子供っぽく言いつけてやる~という怒り方のアラン(多分報告はしない)と、「女性に親切なんですね」と大人顔負けの皮肉を冷たくぶつけるエドガー。クリフォードへの不快感は同じなのに、出てくるものは全然違うんだな…。

男爵に腕を引っ張られるエドガー、抵抗しようとして力で負けて引きずられていくの、かなり屈辱的だろうな…からのねねちゃんシーラの美貌で押せ押せタイム~!アランもクリフォードもドキドキしちゃっててかわいい。シーラ、すごくいい感じに香水がふわっと香ってるんだろうな…見てるだけで残り香を感じます。

 

第14場 男爵の部屋とトワイライト家

ここの男爵一家、ほとんど漫画のやりとりそのままなんですよね。私はこういう音楽に乗せての台詞のやりとり割と好き派なんですが、それにしてもこの場面の台詞とメロディーの合わさり方、めちゃ良くないですか??
一番好きなフレーズは「でも僕が どんなに孤独か あなた方にはわかるまい」です。わかるまい、で一段低くなるところがすごくいい…こんなに「わかるまい」って気持ちにぴったりの音ある…?と毎回感動しながらエドガーの苦しみに思いを馳せながら明日海エドガーの苦しそうな表情をガン見しています。

レイチェルの純矢ちとせさんも明日海りお様の同期生で、とっても歌が素敵な方なのでご出演と知った時は嬉しかったな~。
レイチェルだとソロが少ないのが残念ですが、レイチェルの「母親」より「女」の部分が強くあるのが短い場面でも伝わってくるし、そのぶん母親にすがるアランの哀しさが際立つので、さすがせーこさんだなぁと思います!

 

第15場 二つの魂

ホテルの踊り場的なところで話すエドガーとアラン。お互いの母親にクリフォードが色目を使ってた、という共通点で心理的距離が少し近づいたのが、「ジェインに同情するね」というアランのくだけた口調で分かって嬉しくなっちゃうな…。
そしてセットの柵に対してアランが背を預ける形で話してる二人がすごく絵になっている…。
アランがぽつりと漏らす「僕の心にも棘が刺さってる」で、前の場面のエドガーの「わかるまい」が思い起こされて、二人の孤独な心が寄り添い合うような感じがするのでエドガーの行動は理解できる…んですけど、初演に比べてかなり狙っていってますね。大丈夫?言い訳できなくない?歌い始めちゃえば大丈夫??

第一幕のクライマックスとなる大ナンバー『二つの魂~愛のない世界~』は小池修一郎先生の手腕により、これまでのエドガーの人生が走馬灯のように表現されるのがほんとうにすごくて…盆が回り、色んな人が現れては消えていく…乳母たちや村の子供たちを見ると、同じ一幕の場面だったのにすごく昔に感じるんですよね。

人間だった時の時間も全て過去と断ち切って、心を決めたように「アラン!」と明るく声をかけるエドガーを客席は胸を痛めながら見つめるしかないわけで…。
バンパネラとして狙いを定めた予告のような不穏さ漂う「妹を紹介するよ」に、戸惑いながらも頷く千葉アランがかわいい…後ろを向いて階段をのぼるエドガーは果たしてどんな表情なんだろうか…エドガーとアランはどうなっちゃうの…!というところで第一幕終了です!!

 

書きたいことが多すぎて8,000字近くになってしまいましたね…。第二幕もがんばるぞ〜カテコのエドアラトークもまとめたいな〜

ちなみに梅芸初日〜千秋楽まで観劇時点での感想なのですが、東京と名古屋でまだまだどんどん良くなっていくんだろうなぁと思うと本当に楽しみです!配信も充実してるし、たくさんの人にこの作品が届きますように〜!