タカラヅカとご贔屓と私

いつも心に黒燕尾

ミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』感想

舞台に立つ明日海りお様を約半年ぶりに拝見できる〜!ポーの再演、エリザガラコンときて、いよいよ新作主演!!
ということでとっても楽しみにしてた『マドモアゼル・モーツァルト』、とっても良かったです!!!かわいい明日海りお様も、かっこいい明日海りお様も、美しい明日海りお様も、カツオブシ状態の明日海りお様も拝見できました!!

全場書くとローーーング感想文になってしまうので、特に好きなとこだけ書き残しておきます。明日海りお様のことばっかりです。

 

モーツァルトの誕生

死後の場面から始まり、覆う布を取り去ると生前の本人が現れ物語が始まる…というミュージカルではままある導入、などと落ち着いて観てたのも束の間、少女エリーザちゃんがあんまりにもかわいくてめちゃくちゃ動揺しました。ご贔屓の少女役、初めて観たよ〜!

天井からくるくる回りながら落ちてくる羽根ペンをキャッチして、物語がスタート。
エリーザちゃん、楽譜をつまらないとポイしたり、羽根ペンでふざけたり、思い切りスカートをたくしあげて階段を登ったり、お転婆でかわいかったな〜。
楽譜ポイして即興で楽しく弾いたきらきら星変奏曲、怒られると思ったらパパが超褒めてくれて…。男として育てるなんてとんでもない、と必死で止める母や姉に対して、エリーザ自身があまり嫌がる様子がなかったのは性別云々より既に音楽に夢中だったからなのかな…。

 

・噂の男

超ダンサブルアレンジなトルコ行進曲にのせて、モーツァルトの音楽に熱狂するウィーンの人々といけいけドンドンなモーツァルトのダンスシーン!
有難くも最前列で観劇させていただけた回があったんですけど、冒頭「レッツパーリナイ!カモン!!」て元男役度全開で煽られたにも関わらずちゃんと座席に座っていたので褒めて欲しいです。ときめきで転げ落ちそうになったので、最前列には安全のためシートベルトを設置した方が良いのでは…?

「♪どんな人 天使のよう」で両手でちっちゃい羽ポーズするのも可愛いし、「♪優しくかわいいアイドルよ」でギャルピースするのも最高だし、「♪噂の天才 モーツァルト!」で片手上、片手横に伸ばして両足曲げてピョンと跳ぶのほんと天才だし、後ろ手でピアノを奏でながらオラオラするのに至ってはもう、めちゃくちゃ好きなんですけど〜!?!?私にもウィーンの人々やらせて下さい!!

ウィーンの人々から逃れたモーツァルトサリエリの出会いの場面。
追っかけ女性をやり過ごす為、サリエリの体の後ろに隠れるモーツァルト、すっぽり隠れちゃってかわいいな、しかしやはり女性に追われるの超似合うな、とニコニコの私と違っておこ!なサリエリモーツァルトに「おじさん」と言われて、「おっ…!?」ってなるの毎回笑っちゃったな〜。
サリエリって、あのウィーン一(いち)の作曲家の!?」て言われてまんざらでもない顔してたら、「僕は世界一の作曲家、ヴォルフガング・アマデウスモーツァルトですよろしく!」って爽やかに言われた後のリアクションとか、平方元基さんの受けのお芝居が上手で楽しかったです。

そんな2人のデュエット、メロディーがめっちゃいいんですけど、これは小室哲哉さん作曲の『Love』なんですね。マドモは音楽座オリジナル初演で小室哲哉さんが楽曲提供したことでも話題になっていたそうです。
「♪なぜか気になる〜」という明日海りお様のパートがかなり高音でしたけど出されていてすごかったな…。からの聴き慣れた男役音域の「♪僕は何者 男 女 僕は僕さ」の伸びやかさも捨てがたく…歌詞も声も胸にしっとり響いて、また聴きたいな…音源売って欲しい…。

 

・結婚序曲

羽根ペンを持ち、音楽と戯れるように作曲をするモーツァルト。男性アンサンブルさんにかわるがわるリフトされて移動する空中姿勢が美しくて、私の中のノブがずっと「体幹がすごいんじゃ」って言ってました。
とにかくムヒムヒ楽しそうなモーツァルト、ここの草花柄のベスト+サーモンオレンジのパンツの組み合わせも可愛かったな〜!

コンスタンツェと結婚するよう迫るコンスタンツェ母、徳垣友子さんは音楽座に所属経験もあるようで、実力十分&芸達者な方で見てて楽しかったです。
モーツァルトと一緒に逃げ惑う男性アンサンブルもアルマヴィーヴァ伯爵とドン・ジョバンニという納得の人選でとっても愉快でした!

 

・あやしいアリア

モーツァルトを誘惑するカテリーナの場面。ここめちゃ好きでした!!
石田ニコルさん、ファントミラージュ!のギャンヌ署長がはじけてて好きだったんですけど、カテリーナもすごく良かったな。セクシーかつ気品があり、迫力美人かつコケティッシュ、そのうえ好きな人には一途て!!ふわっと眉に赤シャドウのメイクも素敵で、スチール写真があったら購入待ったなしのビジュアルでした。

アリアを歌いながらピアノを弾くモーツァルトに胸元を見せつけてみたり、扇で腕をなぞってみたり、あの手この手で仕掛けるカテリーナ。
後ろから抱きつこうとした彼女の手を掴んで、誤魔化すようにキスをするモーツァルト、初日はチュッ♡て感じだったのに公演後半にいくに従ってめちゃくちゃ長ーーーく吸っててウケました。
ウフフ♡と微笑みあったと思ったらモーツァルトに手で制止されて唇をとがらせるカテリーナ、ほんとかわいかったな〜。あとコンスタンツェ母に追いやられてトテテテッて移動するのも超かわいかったな〜。

 

・狂おしい夜

コンスタンツェと結婚してしまったモーツァルトが彼女に本当のことを打ち明けるまでの夜の場面。最初の夜の三日月から、少しずつ月が満ちていくことで日にちの経過があらわされてたの、シンプルでよかったです。
基本的にはコメディ色強めの場面ですけど、ここのモーツァルトのソロ、『♪ひとつの嘘が』も短いけど切なくていいんですよね。すぐまた作曲に戻っちゃうけど…。

女性であることを打ち明けて、コンスタンツェが出ていってしまい、「どうしてこんなものがついてるんだよ」と胸元を押さえるのが見ていて本当に苦しくて…。
作曲を続ける為に男性と偽るしかなく、この時点でそのこと自体はモーツァルトは受け入れてるように見えていたんですけど、その結果初めて他者を明確に傷つけてしまって、「どうしてこんなものが〜」=「自分が男であれば」という気持ちになったのかな…。

その流れでの『♪パパどうして』は胸に迫る歌唱で…。辛いことも悲しいことも音楽に昇華させて喜びに変えてきたモーツァルトが、「♪あなたが教えてくれた音楽が 僕を苦しめる」と歌うなんて…。
「♪悲しみになんかに負けたくない だから教えて 光を見せて」でモーツァルトの目に涙が光っていて、なんかもう、胸がギュッとなってしまい…毎回ボロ泣きしていました…。

 

・演奏会

コンスタンツェの妊娠を発表した後のソロ『♪子供ができた』は小室さん作曲の『♪永遠と名づけてデイドリーム』で、歌詞は異なりますがやはり名曲ですね…。
自虐的な「♪僕に子供ができた まさに奇跡 これでいい」という出だしから、「♪落ちる木の葉のように戻れない(昨日には)」とコーラスに加わっていたアンサンブル(モーツァルトのオペラの登場人物であり、取り巻く音楽の精霊のような皆さん)も少しずつ姿を消していき…すっかりお客が入らなくなった演奏会で形ばかりのお辞儀に繋がる流れ、めちゃつらいですけど演出的にはうまいな…という感じですね…めちゃつらいけど…。

モーツァルトがガラガラの客席の上手を見て、下手を見て、沈んだ表情でお辞儀をするところ、「そういう時期もあるよ、大丈夫だよモーツァルト!」という気持ちと、「お話と全然関係ないんですけど明日海りお様には絶対そんな顔させないので!いつどんな場所のどんな公演でも絶対満員の客席を私達ファンが作ってみせるので!!!」という気持ちごぶごぶで観ています。

 

・ラバーズ・コンチェルト

コンスタンツェと、モーツァルトの弟子フランツの逢瀬の場面。舞台前場で1人座り込むモーツァルトの孤独が強調されて、でも同時にモーツァルトはずっとスポットに守るように照らされているんですよね…。
それが「音楽の祝福を受けている人」「神様からのギフトを受け取った人」の象徴のようにも見えて、フランツの「(音楽の才能は)僕なんかとは比べものにならない。でも君を愛する気持ちは負けない。」という台詞との対比が際立つなぁと思います。

 

ドン・ジョバンニ

ダ・ポンテ役は鍛治直人さん!『ポーの一族』が初ミュージカルだった鍛治さん(庭師ビル/アラン叔父)と早くも再共演でしかも仲良し2人場面、なんだか嬉しかったな〜。文学座ご出身の鍛治さん、ポーよりも更にミュージカルに馴染んでいてすごい…。カサノヴァの名前が出るところは元々なのかな。もしくは今回の脚本のお遊びなのかな〜。

一幕ラストとなるドン・ジョバンニの場面、映像演出も凄いし、ドン・ジョバンニ役の渡辺謙典さんのダンスも迫力があって、いつもドキドキしながら見入ってました。

 

・私はエリーザ〜サリエリ演奏会

盛り髪にドレス!レディスタイルで登場のモーツァルトのナンバー。かわいいよ〜!髪は天使の翼だし唇は露に濡れる薔薇の花びらだし瞳はきらめく星だし真珠のようなその手にキスしたくなりま〜〜〜す!!最高の歌詞!!

エリーザとして女性姿でウキウキ出かけてったサリエリの演奏会で、サリエリに一目惚れされちゃうモーツァルト
確かに「もち!(男性口調)…ロン♡(ぶりっこ)」とかめっちゃカワイイもんね、しかしサリエリよ…と思ったけど、そういえばサリエリは一幕でモーツァルトと出会った時に早くも心を奪われて『Love』を歌っていたので、見た目が男だろうと女だろうと惹かれる相手として一貫してるんですよね。そう思うとすごいなサリエリ

サリエリがエリーザの手にキスする時、反射的に背を向けたカテリーナはきっと予感してしまったんですよね。その後の『♪心乱れて』もカテリーナパートが切なくて苦しくて…カテリーナ、幸せにしてあげたい…。

 

ピアノソナタ

コンスタンツェブチ切れにより、自分が現実の生活と向き合っていないことに気づいたモーツァルトが、サリエリに別れを告げる為、エリーザとしてサリエリを訪問する場面。
カテリーナの「さよなら」はこれが別離の言葉だと分かるし、最後のお辞儀の優雅さ、美しさよ…石田ニコルさん、素敵なお芝居をされる方だなぁと大好きになっちゃいました。

そんでサリエリモーツァルトね〜!
エリーザに自分の音楽を褒められて嬉しくて、でも彼女は譜面からどんどん離れていって、それはきっとサリエリには出来ない自由な飛躍で、愛とプライドと羨望がぐちゃぐちゃになってああなっちゃうの、サリエリも苦しいよね…。楽譜破くところ、本当につらい。

サリエリは自分の音楽を否定されたように感じるけど、モーツァルトはもちろんそんなつもりはなく…。
モーツァルトの「喜んでくれると思って」は、幼少期にきらきら星からの即興をパパが褒めてくれたこと、家族が喜んでくれたことが根っこにあるんだろうなと思います。

 

・新しい依頼主

みんな大好きシカネーダーさん登場の場面〜!重めの空気を吹き飛ばす音楽とダンス、毎回楽しみにしてました!
シカネーダー役の古屋敬多さん、初めて拝見したんですが、独特な雰囲気とキレキレのダンスがシカネーダーにめちゃ合ってましたね!最前列で観た時、とにかくお目目がキラッキラしてたのにびっくりしました。
「♪そ〜の〜タイトルは、魔笛!」「素敵!」という掛け合いに毎回フフッとなりつつ、モーツァルトがメキメキ元気を取り戻していくのが嬉しかったです。

そして魔笛の作曲を行うところ、間違いなくこの演目の山場ですが、とにかくもう固唾を呑んで見守るばかりというか…。これまではリフトされつつ鼻歌交じりで作曲してたモーツァルトが、何かに取り憑かれたように作曲に没頭する姿には鬼気迫るものがあり…これが産みの苦しみ…これが「限界を超えて自分を削る(演出の小林香さん談)」カツオブシ役者・明日海りお…!!

苦しそうな息遣いで、床に這いつくばって、震える手で楽譜の最後の1ページを書くところ、「頑張って」と「もうやめて」がぐるぐるして毎回涙目になってるんですけど…。
ようやく完成して、窓の外には朝日が昇っていて、そこで劇中屈指の名曲て、そんなん号泣待ったなしですやん…。

 

魔笛

いよいよ魔笛の上演!私はオペラはちゃんと劇場で観たことがないんですけど、おそらく爆速展開しているっぽくて楽しいです。ここも映像演出がすごかったな〜。束の間、ウィーンの聴衆気分を味わいました!

そして古屋パパゲーノと明日海パパゲーナの場面!ファンの間では割と有名なんですけど、明日海りお様は鳥が苦手でして…でも鶏の唐揚げはお好きだそうなんですけど…鳥刺しのフワフワのお衣装と対面した時、どういうお気持ちだったのかなぁ〜お2人で頭を擦り付けあう振りのとことかめちゃカワとか思いながら観てました。
でもプログラムを読むとパパゲーノとパパゲーナの姿はモーツァルト自身の心の対話を表現しているようにも見える、等書かれており…深い…ただただカワイ〜と思っててすみません…。

 

・成功

場面の名前の通り、大成功した魔笛
シカネーダーさんが「観客達は歌を口ずさみながら帰っていった」と言ってくれて、作曲家にとって1番嬉しいだろうことを伝えてくれて優しいな〜。

そんでサリエリとの場面…ここ大好きで毎回泣きそうになっちゃうんですよね…。
これまでは「とても気に入ったよ」「あれは傑作だと思うがね」と、どこか上から目線でクールに褒めてくれてたサリエリが、「素晴らしかった!」「お客はみんな満足してたよ!」と感情をあらわに伝えてくれるわけで…!
それだけでもすごく嬉しいのに、モーツァルトが「知ってたんでしょう。僕が」女だって、と言いかけたのを遮って、「大切なのは、君がモーツァルトだということだ」と力強く言い切ってくれて…男とか女とか関係なく、モーツァルト/エリーザを存在そのまま受け止めてくれて…ありがとう、ありがとうサリエリ…!

感謝と友情(もしかしたら少しの愛情)をこめたお辞儀でサリエリを送って、その場に倒れるモーツァルト
通りかかったシカネーダーが慌てて抱き起こして、苦しいのか、と胸元をゆるめて息を呑んで。
モーツァルトは震える手でシカネーダーの口を塞いで、小さく首を振るんですよね…ここ、初日に観たあとしばらく頭から離れなかったです。自分の評価とかではなく、父親やコンスタンツェやサリエリ、秘密を守ってくれた周りの人の為に、最後まで真実を明かさずに生涯を終えたかったんだろうなと思います。シカネーダーが頷いてくれたあとの、安堵したような微笑み…儚くて美しくて、忘れられないな…。

 

・雪の降る街

なんかもうこの辺は毎回ベソベソになってるんですけど、音楽が流れるなか誰もいない前場を照らすスポットライトを見てサリエリモーツァルト!って呼びかけてるの、分かる〜!ってなってます。ふとした瞬間に思い出していこうな!平方サリエリのそういうロマンチック男なとこ好きだよ!

メインビジュアルのお衣装で再登場したモーツァルトが光の輪の中をきらきらした顔で歩く、ただそれだけなのに幸福感に満ち満ちていて、私はもうベソベソを通り越して浄化され、(気持ち的には)体が半透明に…。そして物語の始まりと同じように天井から落ちてくる羽根を再び受け取って、精一杯光へ手を伸ばすモーツァルトの姿を、こちらも精一杯目に焼き付けて幕となりました。

 

これは完全に私が明日海りお様のファンだから勝手にそう思ってるだけですという話なんですけど、
私は明日海りお様も神様から表現者としての才能を受け取っている人だと思うので、舞台のスポットライトは明日海りお様にとってまさしく祝福の光で、その光の中で輝いていらっしゃるのが本当に嬉しくて嬉しくて、胸がいっぱいになるし、ずっと見ていたいし、何度でもこんな幸福な瞬間が明日海りお様に訪れて欲しいと願っています…というようなことが光に包まれるモーツァルトを見ながら心の中を駆け巡ったので、書き残しておきます。やっぱり舞台に立つ明日海りお様が1番好きだな〜!!

 

以上、マドモアゼル・モーツァルト、とっても良かったですメモでした!
Blu-rayか、せめて音源を販売していただけたらとても有難いのですがどうでしょうね…!よろしくお願いいたします!!