タカラヅカとご贔屓と私

いつも心に黒燕尾

花組公演『MESSIA(メサイア)ー異聞・天草四郎ー感想

ちょっと〜トンチキ和モノは邪馬台国で一回引き受けたんですけど!?とか、ポスターのビジュアル最高だけど、いっそロザリオしか天草四郎の要素残ってなくない!?とか、始まる前から私達をザワつかせたメサイアを観てきました!!

ほんと失礼を承知で申し上げると、思ってたより良かったです!明日海りお様の美しさも世界遺産に登録しちゃお!!

 

第1場 プロローグ

オケピから銀橋に現れる夜叉王@明日海りお様。ハーフアップの赤髪がワイルド〜!ダブルラインも赤色で、目尻にかけてハネあげててワイルド〜!そんで口元をグイっとやる仕草が超かっこよくて冒頭からオペラが手放せない!!
倭寇(海賊)の夜叉王様の自己紹介ソングによると「♪俺は夜叉王 わだつみの獣〜!!」とのことでした。何そのかっこいい二つ名みたいなやつ!
私は花組生まれCONGA!!育ちなので、海賊といえば「♪お前奪いにきた海のジゴロさ 宝石に夢売る粋な海賊」しか知らなかったんですが、正統派海賊の夜叉王様達は各地のお宝を狙っているようで。「♪ルソンにマカオ、遥か天竺〜」って指差し確認するのめっちゃ可愛い。
みんなで天草に眠るお宝の話をしながら久々の日本にワクワクしているところ、急に嵐が!壊れるデイドリーム号(スカピン)みたいな海賊船!上手と下手に順番に流されていく仲間!このあとどうなっちゃうの〜!?

 

第2場 江戸城奥書院

場面は変わって江戸城内。このお城のセット、めちゃくちゃかっこよくないですか…!?原田先生、美意識はマジ天下一品ですよね…。
将軍様に呼び出されたっぽい絵師の山田祐庵こと山田右衛門作@柚香光様。上様に渡された巻物をひらくと…ひら、ひらく…と…ってぐらい紐ほどくのに時間がかかってて可愛かった7/14の15時公演の思い出!
将軍・徳川家綱は新人公演主演を務める期待の若手、聖乃あすか様なんですけど、まだ若いながらもキリッとした風情がすごく良くて惚れ惚れしちゃいましたね…!
そんな将軍様に膝までついて頼まれたら、いくら辛い記憶でも島原の乱について話さざるを得ないわけで…がんばれエモ作…!

 

第3場 天草・大矢野島の浜辺

時代を遡り、天草の地でキリシタンの島民が集まって祈りを捧げている場面へ。
ここのコーラスめっちゃ綺麗〜〜〜!と感動しながら各々のご贔屓を求めて客席のオペラグラスもめっちゃ上がる〜〜〜!私は渡辺小左衛門@瀬戸かずや様を観てます。
浜辺に怪しい奴がいる!との知らせに急ぐ小左衛門。そこにいたのはそう!我らが夜叉王様!!荒波に揉まれて髪の毛がちょっとラフになっているのが最高〜!!
島民を警戒してるツンツン夜叉王様、帆純まひろ様にあれこれ絡まれて、火薬で手頃な岩をバコーン!してしまったりします。
その火薬のかけらをサッと拾い、「このような火薬をどこで!?」と問いかける小左衛門様の利き火薬っぷりよ…!
「いずれ我らの力になるやも」とのことで、一旦匿われることに。やったね夜叉王様!

 

第4場 益田甚兵衛

夜叉王様が連れてこられたのは、小左衛門様の嫁・福@桜咲彩花様の実家。あきらとべーちゃんの夫婦、なんかもう『公式』って感じがするな…。
お福の父・益田甚兵衛@一樹千尋様の判断で、夜叉王様は甚兵衛の息子として留まることに。
名前を聞かれてもツーンと黙り込んでたり、空腹を言い当てられてちょっと慌てた顔をしたり、「俺たちだって食うや食わずなのに!」てセリフに驚いた顔したり、意外と表情豊かな夜叉王様がかわいい…「お留まりなされ。いかがかな?」に迷いながらも頷くのも最高にかわいい…超ガン見しちゃう…!
かわいいけど黙秘を貫くツンツン夜叉王様に、名が無いと不便だ、と名前を下さる甚兵衛。

甚兵衛「お前の名は…四郎!」
夜叉王「四郎?」
甚兵衛「『四人目の息子』で四郎。天草四郎時貞だ!」

えっ時貞は?時貞はどっから来たん??とちょっぴりの戸惑いを残して、サザエさんよろしくみんなでキャッキャとお家に入っていくマスダさん達。娘達、四郎を受け入れるの早くない?まぁいいけど!仲良し家族め〜!!

 

第5場 湯島

上手に現れる山田エモ作ことリノ。有明海をバックに銀鏡を渡りながらのナンバー、伸びやかなメロディーラインがきれいだったな…音程は…時々波間に揺られてたけど…。
本舞台で踊る波の精達の右腕を頭の後ろにピョコってする振りが、波飛沫みたいでかわいかったです!

岩窟でひそかに絵を聖人画を描いているらしいリノ。
絵を描く前に祈りを捧げているところへ流雨@仙名彩世様が登場し、何気ない会話をしつつ「ここ湯島は岩しかない島だと思われていること」「花を原料に絵の具を作っていること」「でも黄金色だけは作れないこと」等、色んな情報を教えてくれます。

流雨をモデルにマリアの絵を描いているリノ。

「君の美しさ、清らかさ、その全てをこの(聖母の)絵に重ねてみせる」

とのことで…あかねさすの天比古に続いて、柚香光様は今回もだいぶエモい芸術家さんのようです。す〜ぐ好きな女を創作物にあらわそうとする!

 

第6場 島原

不穏な音楽を響かせながら、下手にせり上がってくる松倉勝家@鳳月杏様。
花組内で『仏の鳳月』と呼ばれている程お優しいちなつ様が…めっちゃ悪人の顔でめっちゃ悪い藩主の歌をめっちゃ美声で歌っておられる…!!
しかも家来がみんな大好き天真みちる様・エンジェル冴月瑠奈様という、花組の中でも超いい人なお二人でなんか混乱しちゃう…でも拷問内容は史実通りマジで酷い…。

僅かな食糧を隠していただけで見せしめとして家を焼かれ、しかも聖人画が見つかってしまう庄屋。
聖人画を置き、「踏め。」と命じるたその言い方の憎々しさよ…!
米俵ソファに腰掛け、庄屋と妻(花野じゅりあ様の美貌にびびる)、娘にまで酷い仕打ちを言い渡した松倉に縋りつく松島源之丞@和海しょう様。なんとヒロイン流雨の兄とのことで!いやぁ〜和海しょう様のような実力のある組子に大きい役がつくと本当に嬉しいですね!
流雨の美しさに目を止めた松倉、流雨が源之丞の妹だと知り、「覚えておこう」と不敵に言い残して退場して、これ絶対後々つけ込まれるやつですやん〜!!

 

第7場 天草・大矢野島の浜辺

かわって天草ではまだひととき平和な時間が流れており。明日海りお様の髪の毛もサラサラになり。「お咲さん!」と爽やかに甚兵衛の次女・咲@城妃美伶様にも声をかけ、ってマジで??「もう慣れた?」ってお咲ちゃんも聞いてくれてるけど、慣れてるっていうかめっちゃ打ち解けてますやん〜!
四郎さん大好きっぽいお咲ちゃんは天草のことを色々話してくれて、「はらいそは空の彼方にある国よ。そこには苦しみも悲しみもないの」と教えてくれるわけで…それ、四郎さんに言ってしまって大丈夫…?

島の子供達にも慕われている四郎さん。さすがタカラヅカ、子供達が歌う「♪きりえ きらきら 星ひ〜とつ〜」というわらべ歌もしっかりハモっております!
子供達が去ったあと、わらべ歌の歌詞を不思議そうに呟いた四郎に、

渡辺小左衛門「キリシタンの言葉だよ」
咲「ハッお義兄様!」

ってお咲ちゃんのはらいそ説明もだいぶカミングアウトだったけどね…??
ここの小左衛門の語る言葉が、キリシタンの考え方をよく表していて、四郎さんと同じ気持ちで聞いちゃいますね…。
曰く、

「私たちが助けたのではなく、天主の御慈悲だ」
「私たちは生きているのではない。神によって生かされている」

キリシタンの教えに興味を持ったものの、小左衛門達が松倉勝家の仕打ちを書状で知って去ったあとに「天主はなぜあなた方を救わぬ。俺の命を救ったように、なぜあなた方を守らぬ」と呟くのが苦しいですね…。

物思いにふけっていると背後で物音が!くせ者が2人飛び出してきた、と思って顔の布をはぎ取ってみると、夜叉王の仲間・不動丸@飛龍つかさ様と多聞丸@亜蓮冬馬様/休演後は一之瀬航希様でした。
再会できて嬉しそうな四郎がかわいい…序盤に小左衛門に「一人か?」て聞かれた時、ちょっと悲しそうだったもんね…よかったね…。
お宝狙いの不動丸と多聞丸に、この島に宝はないよと一度は言いつつ、ふとわらべ歌を思い出した四郎。湯島が怪しいのでは?と早速お宝探しに出発ーーー!!

 

第8場 江戸城

♪タタッタ タッタ タタッタ タッタという軽やかなリズムに合わせて出てくる坊主達。お?坊主達の小粋なタップダンスでも始まるのかな?と思いきや、将軍への上奏場面でした。
九州諸国の石高は出たか、と問われて答えるは老中・松平信綱@水美舞斗様。
肥前島原十万石、という昨年の2倍以上の報告に異を唱える鈴木重成@綺城ひか理様。
分かってたけど、出てくる主要人物がマジで全員顔がいいな〜!
残念ながら鈴木の意見は取り合ってもらえませんが、有能っぽい鈴木が印象に残りますね…あと上奏文読み上げラストを「鹿島藩…二万石!!」ってめっちゃ声を張る信綱もかわいいですね~!

 

第9場 湯島

お宝を探してやってきた四郎と不動丸と多聞丸。ところがどっこい、見つけたのはリノの聖人画とか絵皿とかでした。その中のマリアの絵にふと目を留める四郎さん。
とかやってるところにリノと流雨が帰ってきちゃうわけで。
先ほどの松倉が頭をよぎったのか、その絵を見られたからには生かしてはおけぬ!と四郎達に短剣で斬りかかってくるリノ。全身の毛がシャーシャーに逆立っております!!
すんでの所で流雨に庇われ、湯島を後にする四郎達。不動丸達を先に行かせての銀橋ソロはもちろん「この心のざわめきは何…?」的なやつです。
歌い終わり、「流雨さん…」と呟く四郎。え!見た目ワイルドなのに女性に「さん付け」するタイプ?意外〜!ときめく〜!あと顔がいい~!

 

第10場 島原

十万石が認められて至極満悦な松倉様。「四万石など格好がつかんわ」と自分の見栄だけしか考えておらず、負担増となる普請役も百姓どもにやらせればいいと意にも介さない様子で…ほんと徹底した悪人っぷりです!
圧政に苦しむ農民達…の中に家綱様!顔がきれい〜!という双眼鏡ガン見タイムも挟みつつ農民達の行く末を案じていると、またしても悲劇が…。
苦しみを堪えて、必死で松倉に助けを請う源之丞。
「…それ程までに助けて欲しいか」となーんか悪そうなこと考えてそうな松倉様。完全に嫌な予感しかしません!!

 

第11場 湯島

前場面ラストの女性の慟哭と重なって始まる流雨のソロ。
「♪潮騒と共に聴こえてくるのは 嘆きの声か弔いの調べ」という導入の歌詞が、悲しい情景を際立たせるようで…。
「ヒロインが自分のことは厭わず、他の人々を救うよう神に祈る」という点で、ディズニーの『ノートルダムの鐘』の『ゴッドヘルプ』をちょっと思い出しました。ゆきちゃんの声とも合ってて、悲しいけど好きなナンバーです。

1人神に祈る流雨の元に四郎が訪れて信仰について話す中で、「神の御霊にすがれば、はらいそにいけるの」という流雨に対して、「死んだ後にか」と返す四郎さん。それを受けた流雨の、表情が曇る感じ・はっとした雰囲気・心が揺らぐ気配、そういうのがゆきちゃんのなんともいえない眼差しからブワッと感じられて、私も毎回心がざわつきますね。

そこへ慌てて帰ってきたリノ。松倉が税を緩める代わりに流雨を城に呼べと命じたとのこと!やっぱりな!天草へ逃げろと言われて、皆が助かるなら私は構わない!と言い切る流雨!揉めてるうちにたそが来たーーー!
立ち回りを経て、なんとか天草へ逃げる一行。役人達が地に落とした聖人画を拾おうとした四郎を「触るな!」と制したリノ、役人達に踏みつけられたイエスの絵を見つめる横顔がめちゃくちゃ悲しそうで…リノ…超センシティブ…。

 

第13場 天草・大矢野島の浜辺

祈り真っ最中の天草に帰ってきた一行。四郎が「あなた方が俺を助けてくれたように、今度は俺が流雨さんを守りたい!」とアツい決意表明をしたところへ、「倭寇が!海賊上がりが!」と待ったをかけるエモ作ことリノ。
(いくら四郎がめちゃくちゃお美しい顔面とはいえ)ざわつく民の中で、四郎は儂の息子だと言い切る甚兵衛様。「言葉を謹んでいただこう。」の迫力が最高でしたね…!
絆がより強くなったところに隠れキリシタンを探して役人達が!!
甚兵衛様の応対により、何事もなくやり過ごせるか…と思いきや、見つかるリノ!流雨達と隠れとけやーい!!
追求される内に、どんどんヤバい感じになっていくリノ。ついには南蛮絵を描くことがバレ、踏み絵をさせられることに。

「無理でしかない」と書いてある顔で踏み絵を見つめ、硬直するリノ。絶体絶命の大ピンチ!あわや、というところで草陰から飛び出してきた我らが四郎!!

役人「誰だ貴様は!」
四郎「益田甚兵衛が子、益田四郎時貞!」
役人「甚兵衛、貴様息子がいたのか!」
甚兵衛「長崎にやっておりました!」

甚兵衛様、ナイスフォローです!!
四郎の機転&代理踏み絵(ガッツリめ)でなんとか乗り切ったものの、足を洗って懺悔をと慌てる天草の皆さん。それに対して、足など洗わない、懺悔などしてなんになる!と声を荒げる四郎。
堰を切ったように思いをぶつける四郎、一度は神などいないのかと膝をつき、涙した民達が四郎を中心に立ち上がって歌う『メサイア』。
ここの場面、見るたびにどんどん良くなってたな〜!迫力が増すというか、舞台上の空気の張り詰め方がすごいというか!
ムラの前楽は四郎さんも流雨さんも涙を流されてました…。あと2回に1回は気づくとリノがいない…。ハケてくとこ見てなくてごめんね…!

 

第15場A 原城近く

原城に立て篭もった四郎達キリシタン軍と攻めてきた島原藩兵。いよいよ一揆が始まるわけで!タカラヅカでは戦い=ダンスナンバーなわけで!!
戦装束に着替え十字架を胸に、刀を持ってのダンス対決、正直めちゃくちゃテンション上がりますね…!
いい感じに島原藩兵を追い詰めたと思ったら、銃兵を従えた松倉の登場で形勢逆転、かと思いきや源之丞様率いる島原のキリシタン達が合流で再度形勢逆転!という流れ、単純ですけどめっちゃアツくていいな〜。

 

第15場B 原城

無事島原藩兵を蹴散らしたところで、軍旗のお披露目です。描いたのはもちろんリノ!全然戦う気のないヒラヒラマントのかっこいいお衣装に着替えております!
リノにお礼を言うも、「皆の為だ。お前の為に描いたんじゃない」と返されて(´・ェ・`)な四郎さん。優しい流雨さんが、あなたの気持ちはリノにも伝わってるわ、とフォローの上、「櫓の方へ行ってみない?」と誘ってくれます!やっときましたイチャイチャタイム!!
櫓から海の彼方を眺めるおふたり。宝を探して天草に来たんだ、と語る四郎さん。

四郎「宝は確かにあったよ」
流雨「え…?」
私「(君さ、的な…?フワ〜オ♡)」
四郎「この地に住む人々の心さ。まるで有明の海のように美しい心…」

そっちかーーーー!!私の頭がフワ〜オでほんとすみません!!でも思わせぶりじゃないですか!?2人のしっとりラブデュエットは優しくて清らかでとっても良かったです!!

砲弾の音に急いで本丸へ戻る四郎と流雨。島原藩兵だけでなく幕府軍の幟が見えて皆が動揺するところへ幕府軍からの矢文が!
「なに、絵師一人死んだところで。」と話を聞きに行く役目を引き受けて出て行くリノ、自虐がすごいけどかっこいいな…!

 

第16場 松平信綱の陣営

幕府軍の陣営で、保身の言い訳を並べ立てる松倉。信綱に一蹴されてハケる前、めちゃくちゃ憎々しげに信綱を睨みつける悪者っぷりがいっそ清々しい!
入れ替わりで陣営にやってきたリノ。
リノと信綱が相対したとこから、BGM変わりましたよね…?なんというか、「初恋の幼馴染と3年ぶりに桜の木の下で再会」みたいな…淡く切ないピアノの音色で…。
途中からは話の内容(松倉の悪政、四郎との出会いなど一揆に至った経緯)に合ってきましたけど、序盤のロマンチックさはなんだったんでしょう…。
「全員がキリシタンの教えを捨てること。三日以内にリノ自身で四郎の首を取ること。」を一揆に参加した全員の命を保証する条件として突きつけられたリノ、銀橋へまろび出てのソロ!本舞台でぼんやり光る原城の十字架!追いつめられた時はやっぱ銀橋ですよね〜!

 

第17場 原城

リノが歌い終わって原城へ戻ると、ちょうどそこに四郎さんが。話はどうだった、と聞かれて「今すぐここを去ってくれ、去らないなら斬る!」と四郎に襲いかかるリノ。作品の中で唯一ここだけがしっくりこなかったな…。
リノの行動理由としては、『四郎を斬りたくない→四郎を怒らせて出て行ってもらう→仲間には四郎がいなくなったからと改宗と降伏を勧める』ということなんでしょうか…でも四郎の首が無いと条件を満たさないからダメなのでは…?やっぱりよく分からないです。
ともかく四郎を襲おうとしたリノは仲間に見つかり、即地下牢へ連れて行かれることに。もうちょっとリノの話聞いたげよ…??

 

第19場 原城(地下牢)

盆が回る間に三日が過ぎ、約束の日の夜明けを牢で迎えたリノ。そこへやってきた四郎さん、牢の鍵を開けてリノを逃がそうとします。
リノが信綱から突きつけられた条件を知っている四郎さん。
どうして、と問うリノに、「鈴木が矢文を寄越した」とのこと!まさかのリマインド矢文!鈴木まじで有能!!
今回の滑舌鬼門フレーズ「あってはならぬことだろうからな」も乗り越えつつ、必死にリノを逃がそうとする四郎さん。「俺も一緒に戦い、共に死ぬ!」とここへきてデレるリノ!
しかしながら、逃げて、生きて、この一揆の真実を後世に伝えてくれ、という四郎の言葉に、苦しい気持ちを振り切って泣きそうな顔で駆け出すわけで…。ここもかなりグッときましたね…。
リノが牢の中に残した描きかけのマリアの絵を手に、いよいよ最後の戦いです!!

 

第20場 原城

大階段が原城の石段に見立てられ、そこに居並ぶキリシタン軍の人々。ダンスナンバーから立ち回りになって、もうそこから怒涛のようで…。
不動丸に多聞丸、天草の若者達が…幕府軍の刃に次々と倒れて…優しい甚兵衛様は娘達を、まだ子どもの小平も母親を守ろうとして…ここだけは毎回胸が苦しくなるし、我慢してても涙が滲んできてしまいますね…。
そしてついに有能な鈴木が四郎に迫り…その鈴木の背に無我夢中で飛びつく流雨、払いのけようと振り向きざまに流雨を斬ってしまう鈴木。
この時の鈴木の表情が…ほんとに堪らないんですよね…。刀を持たない女性を斬ってしまった、ということに立ち尽くす鈴木に1番涙腺やられてるかもしれません…。
大階段に倒れた人々で十字架が浮かび上がる中、鉄砲隊に取り囲まれ、最期を迎える四郎。こういった場面転換では主役がセリ下がっていくことがほとんどですが、逆にセリが上昇していく演出が素晴らしいなと思いました。
だって四郎と流雨さんははらいそに行くんですもんね…はらいそは空の彼方にあるって咲ちゃんが言ってましたもんね…!

 

第21場 江戸城奥書院

全てを語り終えたリノこと山田祐庵。描きかけのマリアの絵は、折り重なるように倒れていた一組の男女の亡骸とあったものを鈴木が持ち帰ってきたものらしく!
鈴木ーーー!!!マジでマジで最後まで有能!!!!
すっかりロマンスグレーな信綱様は家綱に対して、「島原の乱はただの百姓一揆キリシタンの反乱などあってはならぬこと」と幕府の威光の為に真実を認めないよう圧をかけます。
迷うように目を伏せたのち、キリッと顔をあげ、「誇り高く生きたものたちの証を書き残すのだ」と告げた家綱様。自分が正しいと思うことを貫かれるお姿…一生殿についていきますーーーー!って気持ちになっちゃいますね…。
そしてその後家綱様と祐庵が話している時に、下手の信綱様が涙を一雫こぼしておられるのもだいぶ胸アツだったな…!
最後はセリ下がって行くリノによる、「僕の考えた最高のはらいそ」場面にて幕となりました!!

 

以上、お読みいただき有難うございました!
今後勇気が欲しい時は四郎よろしく赤いダブルライン引いて頑張ろうと思います!
心を勇気の赤に染めて〜!メサイア〜!