タカラヅカとご贔屓と私

いつも心に黒燕尾

明日海りお様の退団から1ヶ月が経って

2019年11月24日、東京宝塚劇場千秋楽から1ヶ月が経った。もう1ヶ月、という気もするし、まだ1ヶ月なのか…という感じもする。

 

退団の日はまだ暗い早朝から、雨風の中スタンバイして入りを見ることができた。笑顔がめちゃくちゃかわいかった。

袴姿で大階段を降りてきた明日海りお様は、清々しく晴れやかで美しくて、ご挨拶はいつものように「らしさ」で笑いをまじえながらも「男役に全てを賭けてきました」と言い切る姿にボロボロ泣いた。

最後の出は前後左右一歩も動けない満員電車のようなすごい人の中、わずかに一瞬だけ横顔が見えた。

帰り道で友人と「私達もやりきったよね」としみじみ言い合ったし、めちゃくちゃ底辺の駆け出しライトファンではあるけど、自分に出来る精一杯でご贔屓を見送れたことに「やりきったなぁ」という気持ちだった。

 

それでも今日になってもタカラヅカニュースの千秋楽映像は一度も見れていないし、スカステ自体も全然見なくなってしまった。

阪急梅田駅のVISA看板を見ないように通るルートを変えて、キャトルのトップスター監修グッズの棚の前は視線を下げて通り過ぎた。

退団を実感するのがまだ怖くて、なるべく目の当たりにしないよう目をそらし続けている、というのが正直なところです。

 

そんな風に立ち止まっていても先の公演予定はどんどん発表されていくし、タカラヅカスペシャルも開催されたし、みりお様がいなくても宝塚は未来へ進んでいく。

今はまだ、千秋楽の日に横目で見たミッドタウン日比谷のイルミネーションや、雨に濡れて光る地面のタイル、靴の中で冷えていく爪先の感覚を昨日のことみたいにありありと思い出せて、その度に心のどこかがギュッとなっているけど…少しずつ、あの日のことが遠くなっていくのかな、明日海りお様が宝塚にいた日々が過去になっていくのかな、と思ってしまって、それがたまらなく寂しい。

そんな1ヶ月を過ごしています。