タカラヅカとご贔屓と私

いつも心に黒燕尾

花組公演『CASANOVA(カサノヴァ)』Act.2 感想

一幕分をしたため終わった翌日に明日海りお様の退団発表があり、マジ心に重さがあると気付かされたりしているうちに東宝楽も迎えてしまいました…。二幕分です!

 

S1 仮面舞踏会

上手花道に登場し、金色の布をフワッとさせつつクルッと一回転するコンスタンティーノ様。毎回「お金持ってまっせ~!」て感じでキラキラしたお衣装で出てくるの、気合いが漲っててかわいいな〜。
閣下の「あなたの資産は大変にセクシーだが、」に対して「セクシー…」って悦に入って繰り返すやつ、東宝では「セクシー!」って客席を指差してました。謎かわいい!
そんで閣下からもらった「カサノヴァ薬(惚れ薬)」を速攻でベアトリーチェに水に混ぜて飲ませようとするコンスタンティーノ様。仮面をつけていても私を見つけて下さいますわね、とベアトリーチェに言われて、「見つけてご覧にいれましょう」と片頬吊り上げの濃いめウィンクかましたり、楽しそうで何よりです!

前後しますけど、登場時ドレス姿のアンリエットに「どう?」って接近されて、「可愛いじゃねーの」て超ドキドキしてるほのかちゃんも超いいですよね…2人の恋の行方もめっちゃ気になるじゃねーの…!

「♪スリルに満ちた夜になるぞ」からの舞台上手でコンデュルメル夫妻がお互いと気づかずに踊る場面、夫人が閣下の手を自分の頬に当てたり、腰元へ触れさせたりとすごく愛情を求める振付になっていて、でも2人が仮面越しに顔を近づけた一拍後に夫人はもう背を向けていて…切なかったな…。
閣下はムラではしばらく夫人の背を見つめて、まさかな…?って首を傾げてたけど、東宝ではもしや…いや、そんなはずは!みたいに混乱してました。

とにかくこの場面は人数も多いし見たいところも多くて!カサノヴァのポスターと同じレザーレースのお衣装がほんとすてきだし、「♪真実と嘘が夜に溶ける」の「とぉける♡」の歌い方が好き…銀橋に出てくるランラン♡みたいな振りも好き…。

 

夫人の忠実なるしもべ達こと猫ちゃん達の場面。猫ちゃん達の名前、惑星の名前だったんですね!ルーラ(月)、マルテ(火星)、メルクリオ(水星)、ジオーヴェ(木星)、ベネラ(金星)、サトゥールノ(土星)で、だから「月曜日から土曜日はシフト制」なわけで!さすがのインテリ生田先生〜!!
誰かの気配に素早く仲間が逃げ出すなか、1人逃げ遅れたベネラの音くりちゃん。入ってきたのは飲みすぎたコンスタンティーノ様で、隠れて猫の鳴き真似でやり過ごそうとしたベネラをチッチッチッと構おうとしてて…猫好きなんて…どんどんコンスタンティーノ様のこと好きになっちゃうな…。


S2 カナル・グランデ(大運河)

ゴンドリエーレに扮したカサノヴァが、そうと知らないベアトリーチェをゴンドラに乗せて漕ぎ出す場面。スカピンのグラパンが頭をよぎるよぎる。「ヴェネツィアのゴンドリエかもしれない」という伏線をここで回収するとは(違うけど)
ゆきちゃんのドレス、本当に綺麗ですよね…ふわっとさせて座った姿もほんとに素敵で…水面に手を伸ばすところの頼りなげな風情、抱きしめたくなっちゃったな…。

初めて聴いた時は昭和歌謡な印象でしたが、ここのデュエット曲じわじわ好きになってきました!みりおカサノヴァゴンドリエーレがめちゃくちゃわざとらしく顔を隠すのも下手っぴかわいい〜!


S3 コンデュルメル夫人の実験室

ベネラを追いかけ、夫人の実験室へやってきちゃったコンスタンティーノ様。喉の渇きを潤すために閣下からもらったカサノヴァ薬を、「…ま、いいか」ぐらいで飲んじゃうそのざっくり感も、「なんと!」の仰け反りっぷりもほんと愛せるな〜!
ゾルチもゾルチで、「あなたが美しいから」に「えっ?(頰赤らめ)」みたいになってるし、夫人に「2人仲良く〜」って言われて手を取り合って微笑み合ってる隙に捕まっちゃうし…展開は不穏だけど全然オッケーなやつやん…。


S4 カジノ・ディ・ヴェネツィア

スカウトされてきたモモロに「採寸するわ」と声をかけるアンリエット、もしやお衣装担当?てことはイメチェン男装衣装も自分で作ったのかな…ときめくな…。

スランプに苦しむあまり、「天国に行ける薬」をお願いしちゃうモーツァルトに「いいのがあるよ!」と渡しちゃう華セラフィーナ。お薬一気飲みしたモーツァルトのフワフワアドリブ、天使が見える〜!っていう基本型から、「わ〜天使がいっぱい、痛っ」と天使に激突バージョン、「(モモロを見て)でっかい天使、大天使だ〜」と見間違えバージョンとか毎回色々見せてくれて楽しかったな〜。最後マイクに頭ゴツン音を乗せるのも謎の上達を見せていた!

解毒剤を調合してモーツァルトを見事蘇生させたカサノヴァ、ミケーレ伯爵に「昔の恋人にもらった魔術書に書いてあった」って答えてましたけど、多分コンデュルメル夫人のことなんですよね…?夫人、プレゼントのセンスが独特すぎるな…。

ミケーレ伯爵がカサノヴァの相談に乗るところのBGMが「自由に生きて強く死ね」のオルガンバージョンになってるの、伯爵の正体に繋がってていいですね!ニヤリ演出だ!


S5 ベアトリーチェの部屋

ベアトリーチェとダニエラの場面。東宝で観た時、「どんな決断でも、私には信じられますわ」と優しく励ますべーちゃんの目がうるうるしていて、それを受けるゆきちゃんもうるうるしていて、それを見守る客席も超うるうるしてました。2人ともいなくなっちゃうなんて信じられないな…。

ここのゆきちゃんのソロ、ほんとディズニーヒロインでキラキラしててかっこよくて、なんか泣いちゃったな…。ナウオンで明日海りお様が好きな曲でこのナンバーをあげてくれて、とても嬉しかった。
仙名彩世様は退団会見で、「ヒロイン経験が少ないことを負い目に思わないようにしよう」というようなことを仰ってたけど…私にとってゆきちゃんはずっとずっと最高のヒロインだよ…!!


S6 ドゥカーレ宮殿

ベアトリーチェとの婚姻を成立させる為、消えたコンスタンティーノを捜索している閣下達。
明らかに苛立っているところへ、「自分の信じる愛こそが真実」と気づいたベアトリーチェから結婚しません宣言&総督から「というわけなのだ」宣言を受けて、ついにブチ切れてしまうわけで!
ベアトリーチェの希望へし折るの早くない?でもアクセサリーが変わってるから別の日なのかな…(ゆきちゃんのこだわり『同じドレスでも登場する日が変わったらアクセサリーを変える』より)


S7 コンデュルメル夫人の実験室

毎回楽しいバカップル場面〜!何度見てもノリノリ相槌ゾルチ夫人の「眩しい!」が面白かわいくて最高〜!
途中まで同じくノリノリのベネラ、「今思うとあの声は君だったのかもしれないな」で2人がイチャイチャし始めると途端にウンザリ顔になるのがかわいい…音くり寿様の下まぶたにオレンジシャドウのメイクがめちゃくちゃ好み…。
東宝ではベネラがコンスタンティーノの手錠を「カチャ♡」と外した後、コンスタンティーノがゾルチの手錠を外すのにも「カチャ(低音)」が採用されていました!お茶目ンティーノ!


S8 カジノ・ディ・ヴェネツィア

ついにオペラを完成させたモーツァルト。ハッピーエンドじゃなかったのか、とカサノヴァに聞かれて、「腹が立ってきちゃって〜」と答えるあかちゃんがなんか憎めなくて良かったな〜。

窮地のベアトリーチェからの手紙で、「自分の愛する人が誰か分かったのです」という文言にカサノヴァの恋が成就した!とみんなが盛り上がるところ、やったな!とほのかメディニが振り向いた瞬間、ショックを受けた顔を見せまいととっさに顔を背けて無表情を装うアンリエットがいて…それを切なげに見つめるメディニ…えらいとこでストップモーションしますやん…。
ここの芝居が良くて、ここだけはカサノヴァ様より毎回こっちを観てました。

明日海りお様が「爽やかロック」と形容していたナンバー「すべては君と出会うために」、「♪気づけば君との思い出は増えて」で、仙名彩世様がトップ娘役になって2年だもんな…とかみりゆきに思いを馳せて泣いてたんですけど、みりお様の退団発表後の東宝では「♪心の重さを生まれて初めて思い知った」で泣きましたね…私にとっては明日海りお様が、心に重さがあると気づかせてくれた恋、そのものです…。

余談ですけど、あの顔の横でひらひら手を振るやつ、電車に乗る友人と別れる時とかにホームでやるとわりとウケます。


S9 ドゥカーレ宮殿・一隅(消えた人質)

閣下に追従してワッハッハ笑いからの「コンスタンティーノは!?」「それがまだ」の緩急で確実に笑いを取る和海しょう様の職人芸たるや〜!94期、ほんと頼もしい!
閣下と夫人の言い争いの中で、閣下に「お前と結婚さえしていなければ!」と言われた時の夫人の「え」が…言葉にするとたった一音で、マイクに乗るか乗らないかの、零れた声なんですけど…すごく胸に刺さるんですよね…。
薬を飲む直前の「せめて人形でいさせて」は「人形としてでいいから側にいさせて」という気持ちなのかな…つら…つらいけど瞳を閉じてせり下がる夫人が超美しいからオペラでついガン見しちゃう…。


S10 ドゥカーレ宮殿・中庭(ドン・ジョバンニ

いよいよ婚約パーティー、って新郎不在やないか〜い!というカサノヴァパパのツッコミも虚しく、強引に新作オペラ『ドン・ジョバンニ』の披露へ。がおり(香綾しずる様)のドンジュアン騎士団長メイク、マジ衝撃だったな…と思いを馳せている間に、カサノヴァ様の「俺の愛は滅びないっ!(仮面ポーン)」がくるわけで!キャー!顔、めっちゃ美!!
コンデュルメル閣下の「十人委員会は一人を除いて」というセリフに、カサノヴァパパは屈しなかったんだな…ってぐっときますね…。ていうか他の皆なんか服お揃いやん?なんなの?閣下の配下になったらもらえるの?チームT?

ヴェネツィア水戸黄門様が登場され、薬を飲んで仮死状態のコンデュルメル夫人が運びこまれてきて超動転する閣下。いきなりそんな??とちょっと戸惑ってしまったな…。
そんな「夫人のお名前、ロザリアっていうんだ…あとカサノヴァ様はなぜ解毒剤を持ち歩いて…」みたいな流れのところへ、スキップして入ってくるコンスタンティーノ&ゾルチ。絶対笑いが起きるし、この出は楽しいだろうな〜!
総督の「恋の花が~」の時、隣に立つメディニの視線に気づいたアンリエット様、すぐにツンと横向いたと思ったらメディニがお腰をぐいっと引き寄せてて…アンリエット様は満更でもなさそうで…お幸せにだよ…!!


S11 サン=マルコ広場

カーニヴァルはあと1日。それが終われば旅に出るカサノヴァと、自分の意志でヴェネツィアに残ってカサノヴァを待つことに決めたベアトリーチェの2人の場面。
カサノヴァがベアトリーチェに初めてのカーニヴァルはどうだった?と聞く姿が、「トップ娘役、どうだった?」とみりお様がゆきちゃんに聞いているみたいで…「楽しむどころじゃなかったわ」「そうだろうな」「なんだか懐かしいわ」というやり取りにじわじわ涙が滲んできて…「あと1日、君と恋人として過ごしたい」が卒業するゆきちゃんを惜しんでくれているようで毎回号泣してましたね…。
そこからの最後のデュエットなんかもう、泣かないの無理じゃないですか!?!?
抱き合ってゆっくり回りながら「♪全て忘れない 笑顔も涙も 二人で過ごした」ってみりお様が歌ってくれるのが本当に嬉しい…ゆきちゃん良かったね、っていう気持ちでいっぱいになってしまう…。

そして最後はカーニヴァルの楽しい音楽が流れ、踊る人々の波間へ手を繋いで歩いていく2人の背中を見送って終幕。そこからスムーズにフィナーレへ繋がる演出、本当に最高大好きありがとう〜!!

 

☆フィナーレ

明るいロケットの間に涙をふいて心を立て直したところで、まずはれいゆきデュエット!
トップ娘役の方が2番手男役よりも1期上という、上級生娘役トップならではの組み合わせの2人。歌いながら踊りながら、仲のいい姉弟がじゃれ合ってるようでめちゃくちゃかわいくて、最後の駆け引きは見るたびに違って、毎回楽しかったな〜!

明日海りお様と娘役さんの群舞、ここのじゅりあ様のワンレンボブが超かっこよくて!本編の赤ドレスでは盛りの美学、フィナーレでは引き算の美学!美を司る女神のようなじゅりあ様が花組にいてくれて本当に幸せでした。

続いての男役群舞。私は役をまとっていない状態のシンプルな男役・明日海りお様がほんとにほんとに好きなので、ひとつの振り、ひとつの目線を毎回食い入るように見てしまう。みりお様はダンスが得意なダンサータイプではないけど、手の使い方がとてもきれいだし、普段のゆるふわから想像できない気合みなぎる掛け声がかっこいいし、そして何より顔がいい!!!!いつも有難うございます!!!!

みりお様がはけた後は鳳月杏様に持っていかれがちですね…ちなつが腕をゆるく横に伸ばす時、ちょっと肘のあたりに余裕というか遊びがあるじゃないですか、あれがもう、ほんと最高だなって…。

そしてみりゆきのラストデュエットダンス。仙名彩世様がせり上がってくると同時に私の涙もせり上がってくるわけで…だってゆきちゃんがあまりにも綺麗だから…。お衣装もすごく素敵だし、それに合わせたゆきちゃんのお団子キャップの美しさたるや〜!
本編中、カサノヴァが「♪ただひとつの愛 ただひとりの人よ」と運命の女性への愛を歌うナンバーが使われているのもとても愛を感じるし、振付にもひとつひとつにたっぷり時間を取って2人の空気感を大切にしてくれてるのが嬉しかったなあ…。みりゆきのお互いへの愛情と信頼、幸福感に満ちていて、本当に素敵なデュエットダンスでした。

 

今振り返っても、特にムラのCASANOVA公演期間中は本当に楽しくて、みりゆき体制ラストがこの公演で幸せだったな〜と思う次第です。生田先生はじめこの公演に関わって下さった全ての方々に心からの感謝をこめまして!本当に!グラッッッツェでした!!!!